ネットワンシステムズの「クラウドブローカリングサービス」は、マルチクラウドに対応したデプロイ(配備)管理サービスである。複数のクラウドサービスの違いを吸収しながら、複数サーバーで構成するシステム一式を、設定を含めて各種クラウドサービス上にデプロイできる。このクラウド管理機能を、SaaS型のクラウドサービスとして月額制で提供する。クラウドの利用状況が費用に見合ったものかどうかを監視する機能も提供する。
大きく2つの機能で構成する。まず、複数のサーバーで構成するシステム一式をビジュアル設計する機能である。ネットワンシステムズがあらかじめ用意しているコンポーネントカタログから、仮想サーバーや負荷分散装置といったインフラ基盤や、著名なアプリケーションなどを選択し、これらを模したアイコンを線で結んでシステムを設計する。コンポーネントカタログとして用意されていないユーザー独自のアプリケーションなどは、デプロイ先のクラウドサービスに自前でインストール/設定する必要がある。
もう1つの機能は、こうして設計したシステム構成情報(プロファイル)を利用して、クラウドサービス上に実際にシステムをデプロイする機能である。プロファイルにはアプリケーションのインストール情報や設定情報などが書かれており、仮想サーバーイメージを管理しているわけではない。プロファイルに基づいてデプロイすると、その都度、仮想サーバーを立ち上げ、アプリケーションをインストールし、ネットワークやアプリケーションの設定を施す。
サービス開始当初は、デプロイ先となるクラウドサービスとして、AWS(Amazon Web Services)とVMware vCloud Airが利用できる。その後に、利用可能なクラウドサービスを増やす。
用途と機能 | 複数のサーバーで構成するシステム一式をネットワークやアプリケーションの設定を含めてビジュアルに設計し、これを各種クラウドサービスの上にデプロイ(配備、構築)するサービス | ||
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提供形態 | クラウド管理機能をSaaS型のクラウドサービスとして月額制で提供 | ||
デプロイ可能なアプリケーション | ネットワンシステムズがあらかじめ用意しているコンポーネントカタログから、仮想サーバーや負荷分散装置といったインフラ基盤や、著名なアプリケーションなどを選択し、これらを組み合わせてシステムを設計する | ||
サービス開始時点でデプロイ先となるクラウドサービス | Amazon Web Services VMware vCloud Air | ||
プラン | エントリープラン | スタンダードプラン | エンタープライズプラン |
仮想マシンの最大同時稼働数 | 10台から | 100台から | 1000台から |
初期費用(税別) | 29万8000円 | ||
月額費用(税別) | 3万9800円から | 37万8100円から | 358万2000円から |
発表日 | 2015年12月17日 | ||
提供開始日 | 2015年12月17日 | ||
備考 | サービスの基盤として米CliQrが開発したミドルウエア「CliQr CloudCenter」を利用している |