米マルケトは、2017年4月に開催した年次カンファレンス「The Marketing Nation Summit 2017」(Summit 2017)で、同社にとってABM(アカウントベースドマーケティング)が重点領域の一つであることを強調した。米国で2016年9月にリリースしてから約9カ月が経過した「Marketo ABM」の状況を、導入企業と米マルケト、パートナー企業のそれぞれの声から追った。

「Marketo ABMの導入で想定アカウントが約5倍に」

 コンテンツ自動化ソフトウエアベンダーのQuark Softwareは、2016年11月からMarketo ABMを利用している。同社マーケティング担当VPのGavin Drake氏は、「Marketo ABMの発表前からABMに取り組むことを計画していた」と話す。

米Quark Softwareのマーケティング担当VPのGavin Drake氏
(撮影:冨永 裕子)
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 とはいえ当初は不明点も多かった。「マルケトがABMのモジュールをリリースすると聞いた時点では、ターゲットをアカウント(企業)レベルで管理できるか分からなかった」(Drake氏)。その後、Marketo ABMの機能が同社の目指すリターン最大化に貢献できると判断できたため、プログラムの一部改変を経て本番稼動を始めたという。具体的にはMarketo ABMを使って、マーケティングとしてセールスと売り上げへの貢献度を高める活動に取り組んでいる。

 Drake氏によると、Quark社はDemandbaseをはじめとする他のABMソリューションも検討していたという。比較して見えてきたのは、「Demandbaseを導入すると、プラットフォームだけでもかなり高額な費用がかかること」(Drake氏)だという。

 最終的に導入の決め手となったのは、全てがMarketoで完結できることだった。「我々はSiriusDecisionsのDemand Waterfallモデルを使ってリードジェネレーションに取り組んでいる。リードのライフサイクル管理がMarketoで、アカウントのライフサイクル管理を別のプラットフォームにするというのは考えられなかった」とDrake氏は振り返る。しかもMarketoはQuark社がCRMとして活用している「Microsoft Dynamics」との連携が可能な点も魅力だったという。

 Quark社はABMの効果を確認するKPI(重要業績評価指標)として、「セールスパイプラインにマーケティングが貢献すること」(Drake氏)を重視している。これは具体的には「マーケティングでアプローチすると決めたネームドアカウント(価値があるプロスペクトとして認めたアカウント)を増やすこと」を意味する。

 同社が販売するソリューションのセールスライフサイクルは平均6~12カ月程度。本来は売り上げをKPIにするべきかもしれないが、ネームドアカウントの数までで評価している。

 Drake氏は、導入から5カ月が経過したばかりで、成果を総合的に判断することが難しいとしながらも、「マーケティングチームがインサイドセールスチームに渡すリードの数が増加した」と話す。従来はリード全体の16%だったが44%になり、ネームドアカウントの数は従来比で490%増加した。

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