2月14日はバレンタインデー。期待していなかったので、小さなチョコでも嬉しいという経験はないだろうか。逆に、有名レストランの料理やもてなしが想像以下でがっかり、という話もよくある。BtoBの世界でも、顧客の期待を高めすぎて、受注後に現場が困ったという話はなくならない。顧客満足度の向上に気を取られ、期待度のマネジメントが疎かになっているからだ。そんな、期待度と満足度の関係とは・・・・・・。

「膨張した期待」を抑制する

 「営業の話と違うじゃないか。期待していた出来栄えと雲泥の差。これは、どういうことだ!」

 顧客は怒り心頭で、満足どころか納得さえしていない。期待度が大きく膨らんでしまったお客様への説明で、四苦八苦したことはないだろうか。こうした事態に陥らないためにも、顧客の期待度をマネジメント、最適化することが重要である。

 BtoBの世界では、期待度が膨張しすぎると、業務プロセスや納品物の品質が要求を上回れなくなることが多々ある。もし緊密な人間関係が築かれていなければ、次回は発注されず、顧客を逃がすことになる。

 逆に顧客がそれほど期待していなければ、業務プロセスや納品物の品質が一定水準を満たすことで、ある程度の満足感を獲得できるかもしれない。もっとも、全く期待されていない場合は、そもそも発注さえしてくれないので、期待度を高める活動(例えば提案活動)が必要である。

 高くもなく低くもない“そこそこ”の期待度に対して、満足度も“そこそこ”という場合、ライバルさえいなければ継続発注してくれるかもしれない。しかし、競合他社から素晴らしい提案が出てくれば、顧客が他社に切り替えてしまうリスクがある。

 私の場合、初めてお伺いするお客様に対して、うまくいった成功事例を話すのはもちろん、あえてうまくいかない時のリスクを伝えるよう努めている。発注をいただくには、まず期待してもらう必要があるものの、期待度が高くなり過ぎたと感じた場合は、膨らんだ期待をあえてクールダウンさせるのだ。

期待度と満足度のギャップを測定せよ

 顧客満足(CS)に関する調査を実施している企業は多いが、期待度まで確認している企業は少ない。顧客満足度を上げるには、事前にお客様の期待度がどの程度かを正確に把握することが重要である。

 一例を示そう。ベンダーが顧客(ユーザー)に対してアンケート形式でCS調査を実施する場合、そもそも顧客の期待度がどの程度だったかを同時に回答してもらえれば、分析するうえで、大いに役立つ(下表参照)。

表●期待度と満足度の質問項目の一例(システム開発の場合)
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 調査の結果、「もともと期待度が高く、満足度も高かった項目」「もともと期待度が低く、満足度も低かった項目」など、期待度と満足度の関係が項目別に浮かび上がる。ここで着目したいのは、「期待度が高かったにもかかわらず満足度が低かった項目」だ。ギャップが大きい項目ほど改善の余地がある。

 満足度だけを測定していると、その高低に焦点を当てるしかないため、改善すべき項目が見えにくい。満足度が低かった項目や、総合満足度に影響を与える可能性のある項目(例えば相関係数が高い)に着眼することになる。一方、期待度も併せて測定している場合は、期待度と満足度のギャップにも着眼して多面的に分析できる。

 実は顧客の期待には、複数のタイプがあることも理解しておきたい。(1)どの企業(担当者)にも普遍的な「共通の期待」、(2)各担当者により異なる「個別の期待」、(3)状況によって「変化する期待」、(4)何らかのきっかけで表面化する「潜在的な期待」・・・・・・などだ。

 システム開発・運用というプロジェクト形式の業務に関して言えば、日常の挨拶やビジネスマナー、開発の正確さ、報告の的確さ、納品物の品質と納期、コストパフォーマンスといった要素は、どの顧客も抱く「共通の期待」である。こうした基本的なことが出来ておらず問題に発展することも多いため、顧客満足度調査のニーズがあるわけだ。さらに注視したいのは、「個別の期待」「変化する期待」「潜在的な期待」である。

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