屋外で利用できるWi-Fi(無線LAN)を新たに整備する企業や交通機関、地方自治体などの動きが活発になっている。ただ追い風にもかかわらず、利用者が伸び悩んだなどの誤算から一時撤退する例もある。サービスを提供する側には、利用場面や利用者の需要を思い描いたサービスの仕組み作りが不可欠となっている。

ヒトとモノを動かせ、施設や地域に“磁場”を作る

 街頭や商業施設など、屋外で利用できるWi-Fi(無線LAN)を新たに整備するプレーヤーの動きが活発になっている。店舗を持つ企業、交通機関、地方自治体などが主体となって無料Wi-Fiサービスを提供するというものだ。

 屋外のWi-Fiインフラはこれまで、主に携帯電話事業者が投資して、携帯データ通信網の混雑を緩和するオフロード対策として整備エリアを広げてきた。屋外を飛び交うWi-Fi信号の多くは特定の携帯電話サービスの利用者向けか、有料サービスが主流だった。ここに、誰もが利用できる無料Wi-Fiのエリアが急速に拡大し、ユーザーのすそ野を一気に広げている(写真1)。

写真1●無料で利用できるWi-Fi(無線LAN)サービスが急増している
コンビニやモールなどの商業施設から、鉄道やバス、空港など交通機関、商店街など街頭へと提供地域も広がってきた。
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 無料Wi-Fiの整備が目立って進んでいるのが、百貨店などの大型商業施設だ。Jフロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は2014年10月から、旗艦の東京店で館内の一部に限られていた無料Wi-Fiのエリアを全館に拡大した。渋谷駅を拠点にする東京急行電鉄も、渋谷駅構内や系列の百貨店など5つの施設で、訪日外国人向けの無料Wi-Fiを2014年5月から提供している。同様の動きはショッピングモールやテナントビルにも及んでいる。

 流通など一般企業からWi-Fiインフラ運営を多く受託しているエヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)の加藤成晴取締役ビジネス企画部長は「訪日外国人が快適にすごせる商業施設にWi-Fiが不可欠という認識が、流通業やサービス、観光業などに急速に広がった」と背景を解説する。

 日本でネット難民になりかけている外国人にとって、気軽にWi-Fiが使える商業施設は、それだけで心地よく滞在でき、買い物などをゆっくりと楽しめる空間になる。

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