整備した無料Wi-Fiを使って来場者の購買行動を後押ししたり、マーケティングに活用するための情報を収集して本業に役立てる動きが始まっている。期待されている情報としてはユーザーの位置情報があるが、現在の技術では精緻な位置を把握するのが難しいなどの課題もある。

売り場での測位精度を高める次期技術

 無料Wi-Fiを使って本業を活性化させる仕組みには、例えば来場者の購買活動を後押しするなどがある。第2回と第3回では、その場で利用できるクーポンを発行するセブン-イレブンや、野球観戦の新しい楽しみ方を提案する埼玉西武ライオンズなどの取り組みを紹介した。

 マーケティングに活用できる情報収集も、Wi-Fiで利用できる本業の活性化策だ。ここでは、Wi-Fiで得られる位置情報や顧客情報を活用する方法と可能性を整理しよう。

 位置情報については、端末のMACアドレスなどを記録して店舗レベルで消費者の行動を追跡できる例として、Wi2が提供する位置情報のビッグデータ解析の例を紹介した。施設内でのWi-Fiユーザーのより詳細な位置情報を追跡して、マーケティングに活用しようとする模索も始まった。

 例えばシスコは、ホテルの施設内を移動するWi-Fi利用者を追跡し、スマホにリアルタイムでメッセージを出すシステムを構築した。既に米国内の有名ホテルなどで導入実績がある。Wi-Fi利用者がホテル内にあるショッピングセンターや飲食街を散策すると、「近くにある店舗や施設を割安で利用できるクーポンを発行するなど、施設の利用を促すしかけを積極的に利用している」(同社日本法人のユニファイドアクセス部の田村康一部長)。

アプリを使いながら施設内を散策

 ただし、Wi-Fiで精緻な位置情報を把握するには課題もある。NTTBPの加藤成晴取締役ビジネス企画部長は「施設内の一般的なAPの設置密度では、売り場レベルで利用者の位置を特定することは困難だ」と指摘する(図11)。

図11●より詳しい位置情報を取得する技術
売り場の棚レベルの位置把握には、新技術への投資が必要になる。
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