2016年12月17日に東京・江東区の日本科学未来館で「スポーツアナリティクスジャパン2016」が開催された。同イベントのスポーツデータ分析コンペティション「スポーツアナリティクス甲子園」の「マーケティング分析部門」では、横浜F・マリノスの観客動員に関する課題に対するデータ分析と課題解決策の提言を大学生による7チームが競い合った。

 スポーツアナリティクス甲子園にスポンサーとして関わったSAPジャパンのSAP Hybris ソリューション事業本部 ソリューション エンジニアリングディレクターの阿部匠氏に、SAPが考えるスポーツインダストリーとデジタルマーケティングの関わり合いを聞いた。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング


SAPジャパンのSAP Hybris ソリューション事業本部 ソリューション エンジニアリングディレクターの阿部匠氏
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SAPがスポーツ分野に関わる背景を教えてほしい。

 SAPはいわゆるシステムの提供にとどまらず、ビジネスバリューの提供を指向しています。この側面から業務を考え、ビジネスモデルを考え、それに対するITを考えるという取り組みを続けてきました。

 企業の組織や管理体系を考えるときには、その企業が属するインダストリーを前提に考えます。SAPでは5年ほど前に、「スポーツ」を一つのインダストリーに位置づけ、管理する体制を社内に作りました。背景には、米国でこの分野が急激に伸びて一つの業界として認められており、ビジネス規模も大きくなっているからです。

 もう一つの背景として、「スポーツのデジタル化」が進んでいることがあります。ITとスポーツは、かつては遠いところにありました。しかし選手のパフォーマンスをセンサーなどで計測して収集する技術が急速に進化しています。選手のさまざまなアクションをデータ化できるようになり、そこから選手のパフォーマンス向上につなげる動きが始まっています。

 SAPにはビッグデータ解析などを目的に、インメモリー データベース「HANA」を開発してきました。この流れとスポーツのデジタル化の流れが合流したのです。

 代表的なスポーツでの利用例として、2014年のワールドカップ(W杯)ブラジル大会でドイツ代表チームをサポートした分析集団「チーム・ケルン」があります。例えば、練習中の選手の動きをデータ化し、さらにテレビ映像を解析するなどして相手チームの選手の動きもデータ化しました。これらのデータをHANAを使って分析し、パスの出し方はこうするべきなど、選手のプレイぶりまでを具体的に指導したのです。

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