アドビ システムズは2016年8月上旬にAdobe Marketing Cloud Data Driven Forum 2016を開催し、データの活用による顧客の理解や効果的な企業活動の実践を訴えた。同イベントの基調講演に登壇した、Adobe Analytics プロダクトマーケティング担当 シニア ディレクター ジェフ・アレン氏に、データを活用したデジタルマーケティングの未来像を聞いた。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング


Adobe Analytics プロダクトマーケティング担当 シニア ディレクター ジェフ・アレン氏
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今回の基調講演で、Adobe Analyticsは「結果の確認」から「将来の予測」へと舵を切った印象を受けた。その核となる「異常値検出」と「寄与度分析」について詳しく教えてほしい。

 異常値検出を使うと、データの意味を前後関係や文脈によって理解できるようになる。

 例えばある日の受注が「400」だったとしよう。しかしそれだけでは、その数値がいい結果なのか悪い結果なのか分からない。異常値検出では30日、60日、90日などの周期で区切ったデータの変化を見て、その日の400という数値がいいのか悪いのかを可視化できるようにしてくれる。

 その次にするのが寄与度の分析だ。何百万もある数字の組み合わせを解析して、今回の数値に最も寄与度が高いものを選んで表示する。これを人手でやろうとすると、従業員が何人いても足りない。

 例えばコンテンツごとの寄与度では、「コンテンツの種類では動画(の寄与度)が高い」とか、「参照元タイプではサーチエンジンが高い」とか、「男性が高い」とかいったことがわかる。良きにせよ悪きにせよ、なんらかの異常値がでたときに、どの要因との相関性が高いかを可視化できる。

 そしてこの内容をアラートとして伝える機能もある。2016年3月にラスベガスで発表した、「Intelligence Alert」がこの機能に相当する。異常値の検出と寄与度の分析を基にアラートを発信して、ユーザーに認識してもらう機能だ。

 受け取った利用者がそのアラートのとなりに表示されたアイコンを押すことで、効果があったかなかったかを簡単にシステムに伝えられる。こうしたフィードバックを繰り返すことで、どの異常値が受け取った側から見て意味があったのかをアルゴリズムが学習していく。

 アドビはこれらの機能をまとめて「Virtual Analyst」と呼んでいる。日々計測している数万単位の指標をシステムがモニタリングして、異常値が発生したときにはその要因を導き出し、ユーザーに知らせるという機能だ。

 現場では通常、それぞれの指標の非常に大きな変化があったところに注目する。しかしそれ以外の、長期的な効果を見込める部分にも非常に大きなインサイトが隠れている場合がある。

 ところが企業の現場には、そこまでを調べられるほどの人手が足りていない。私たちの機能を使えば、スタッフの能力を拡張し少ない作業で多くのことができ、分析のROI(投資利益率)を高められる。

Virtual Analystは、BtoBビジネスを展開する企業にはどのような効果が考えられるか。

 大手の流通小売業の社内にはマーチャンダイザーがたくさんいるが、BtoBビジネスを手がけるのは小さな組織の場合がほとんど。こうした現場では、自動化ツールが効果を発揮する。

 その例として、米国の大手テクノロジー企業の話をしよう。ある日、その企業のWebサイトに中国から大量のアクセスがあり、製品に関わるページを1ページごとに見ていることが判明した。

 実際にIPアドレスを見ると、競合会社であることが分かり、しかもボットを使ってサイトをクローリングしてPDFを次々にダウンロードしていたことも分かった。米国企業とは別のブランドで、製品を売ろうとしていたようだ。

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