オラクルは米国でマーケティングオートメーション(MA)という言葉を使わず、「モダンマーケティング」という呼び方に改めているという。その狙いと実現に向けた考え方を、日本オラクル 専務執行役員 マーケティングクラウド統括本部長のトニー ネメルカ(ネメルカ・トニー)氏と、オラクル・コーポレーション オラクルマーケティングクラウド プロダクト・マーケティング統括シニアディレクター クリス・リンチ氏に、2BCの尾花淳代表取締役が聞いた。

(記事構成は松本 敏明=ITpro Active)


(前編から続く)

日本オラクル 専務執行役員 マーケティングクラウド統括本部長のトニー ネメルカ(ネメルカ・トニー)氏
日本オラクル 専務執行役員 マーケティングクラウド統括本部長のトニー ネメルカ(ネメルカ・トニー)氏
(撮影:都築 雅人)
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尾花:日本国内のマーケティングをよくご存じのネメルカさんにあえて伺います。せっかくの黄金の時代なのに、日本には本当の意味のマーケターがいない会社が非常に多いことが問題だと感じます。オラクルはこの点をどういった支援で解決していくのでしょう。

 現実に「モダンマーケティング」を実践するには、担当者がアサインされて、組織として成立している必要があるのではないでしょうか。

ネメルカ:この質問はよく聞かれます。米ヒューレット・パッカード(HP)の創設者は「HPにマーケターがいないのはなぜか」と聞かれたときに「会社の全員、一人ひとりがマーケターだからだよ」と答えたそうです。

 私がかつてIBMで日本の大手企業と仕事をしていたときに感じたのは、日本にはマーケティングの部門の人間はたくさんいるけれども、マーケティングを実践する人(マーケター)はいないということでした。しかし、それでも十分成り立つと思います。

 オラクル自身では組織を変革しています。モダンマーケティングに合わせて組織作りをするときには、営業やマーケティングのやり方そのものを、モダンマーケティングに合わせて変革できるかが重要になりました。その場合、新しい組織を作るよりも、現在の組織を再編成するのがよいと思います。

尾花:今の日本にはマーケティングに特化した組織がほとんどない、あるいは営業部門の中に担当者が2人くらいマーケティングにアサインされている場合が一般的です。こうした中で営業とマーケティングの再編成をすると、米国や一部の日本企業で発生しているような、営業とマーケティング部門のアラインメント(接続や調整)といった問題にはならないというメリットもあるかと思います。

ネメルカ:MAが米国で進んだ理由の一つは、売り上げを伸ばすためにどれだけコストがかかっていたかに気が付いたことにあります。コスト削減を図るために、MAを試したという背景があるのですね。

 そうやってみたところ、コストが既存の販促活動の半分で済んでしまいました。その結果、営業にかけていたリソースを半分に減らし、マーケティングに移動させるという自然な動きが発生したのです。これはある意味、合理的なことかもしれません。

 リードを活用するという側面では、日本の企業の多くはMAを導入していて、その価値を理解してきているでしょう。効率が高く、効果があることも証明されつつあるのではないでしょうか。

尾花:そうしたときに日本の企業でありがちなのは、優秀な営業担当者を従来の業務に残して、そうではない担当者がマーケティングプロセスを担うような形になることです。つまりマーケティングプロセスの変更がうまくいかなくなる懸念があります。

ネメルカ:人の異動というよりは、人材を含めて営業に振り向けていた投資を、マーケティングなどに再配分するということになると思います。

 優秀な営業担当者がマーケティングのサポートなしに十分な売り上げを上げられるなら、その人にはサポートは不要です。苦戦している営業担当者をマーケティングがサポートしてあげる格好になると思います。

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