DCの立地を決定したら、次は、建物がどれだけ災害に強いかを考慮する必要がある。建物自体の基礎や、免震・耐震構造、設備の冗長性など、さまざまなポイントがある。

 DCにおけるシステム稼働の信頼性を評価する基準として、最も有名なのは米国の民間団体「Uptime Insititute」が作成した「Tier」だ。

 日本データセンター協会は、Tierの日本版となる評価基準「データセンター ファシリティ スタンダード」を策定している。同基準はTierを基に、金融機関等におけるコンピュータシステムの安全対策基準「FISC基準」や、情報システムの設備基準「JEITA基準」なども考慮して策定した。

 データセンター ファシリティ スタンダードには大きく六つの大分類がある。建物、セキュリティ、電気設備、空調設備、通信設備、設備運用だ。それぞれの評価項目に、「ティア1」~「ティア4」まで、4段階のレベルが定められている。

 例えば建物に関する評価項目の一つが、地震に対する設備の危険性を評価する「地震リスク評価(PML)」だ。データセンターの敷地が持つ地震危険度や地盤の安定性、設備の耐震性といった地震リスクを総合的に評価する、業界標準の指標だ。

 大規模な地震が発生した際に、被害を回復するために必要なコストが建物の資産価値のどれくらいに相当するかを見積もった指標で、数値が小さいほど優れている。

 データセンター ファシリティ スタンダードによれば、「ティア1」は25~30%未満、最上位のティア4は10%未満と定めている。新日鉄住金ソリューションズが2012年に開設した「第5DC」は0.2%、インテックが15年6月に開設した施設は3.0%だ。

サーバルームは揺らすな

 

 PMLを決める重要な要素の一つが、DCの基礎構造だ。大きく耐震構造と免震構造に分かれる(写真1)。両構造とも、一度構築してしまうと容易には作り直すことができないため、基本的な内容を理解しておきたい。

写真1●DCの建物の基礎には、耐震構造や免震構造など、地震対策が設けられている。写真は、野村総合研究所が2012年に開設した「東京第一データセンター」の免震装置。同DCでは、111基の積層ゴムを配置している
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 耐震構造とは、壁や柱の強度を上げることで、文字通り地震の力に耐える方式のことだ。建物を頑丈にすればするほど効果があるが、揺れ自体は建物に伝わる。階が高くなるにつれ、揺れ具合も大きくなる。

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