2018年3月21日に、米広告大手インターパブリック・グループ傘下の調査会社マグナ・グローバル社が米国の広告市場の予測を発表した。この予測は、米国の広告市場で従来メディアが縮小する傾向を色濃く表現している。

 同調査によると2018年の米国の広告市場は約1970億ドル(約20兆6280億円)と、過去最大規模になるという。これは対前年比では5.5%増となる。

 これだけ大きく市場規模が拡大するのには理由がある。2018年は平昌冬季オリンピック・パラリンピックやサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会といった世界規模のスポーツイベントに加え、米国で中間選挙が開催されるからだ。

 米国民の関心を集める大きなイベントが複数あるため、広告市場も半ば必然的に拡大するということだ(2016年もリオデジャネイロ五輪に加え、年末の大統領選挙によって広告市場は大きく拡大した。つまり米国の広告市場は2年に1回、五輪+選挙という二つの“特需”によって潤う構造になっている)。

 その拡大する広告市場を牽引しているのがデジタル広告市場である。2017年終了時点でのデジタル広告市場の規模は、対前年比18%増の約850億ドル(約8兆9000億円)だった。これは2017年の広告市場全体の46%を占めており、いずれ全体の半分を超えることが確実視されていた。

 そして2018年は、対前年比14%増の成長が予測された。つまりついにデジタル広告市場の規模が、広告市場全体の半分を超えるわけだ。これは以前の同社による予測よりも1年早い。

 背景にあるのは、テクノロジー業界や小売業界、そして金融業界といった、比較的早くからデジタルに向けてシフトていた業界が、さらにデジタルシフトを加速させたことだ(日本では逆のイメージを持たれることが多いが、米国では金融業界は早くから積極的にデジタルにシフトした業界として認識されている)。

 そしてテレビ広告市場を中心に、かつて“マスメディア”と呼ばれていたメディアの広告市場規模が、軒並み減少することも合わせて予測されている。言い換えれば「デジタル以外は全て縮小」になる見込みだ。

 広告市場全体は過去最高レベルにまで拡大しているものの、テレビ広告市場に絞ってみると、その規模は縮小していることが分かる。少なくともテレビ広告市場に関しては、2016年第三四半期(7~9月)以降、ずっと対前四半期割れの状況が続いてきた。そしてそれは、間もなく第1四半期が終わる2018年以降も変わらないと予測されている。

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