導入事例のインタビューでは、取材先にリラックスしてもらうことが必要です。しかし、実はそれだけでは取材先から「話を引き出す」ことはできません。もちろんリラックスさせることは重要です。しかしそれだけでは不十分なのです。

 なぜかというと、インタビューされることに慣れていない人の場合、リラックスしてしゃべると、単なる雑談か、とってつけたようなよそ行きの発言のどちらかを話すことが多いからです。

 言い換えると、普通の人はリラックスして話すとき「自分がしゃべっていて気持ちのいいこと」を話します。しかし話し手が気分が良いからといって、読み手も気分が良くなるとは限りません。いや、たいていは「ダラダラしてわかりにくい」「いったい何が言いたいの?」と不満を持つでしょう。

 これが商談や接待など「相手にに良い気分になってもらうこと」が目的の会話なら問題はありません。どんどん相手をリラックスさせましょう。

 しかし顧客事例で最も大事なステークホルダーは、取材先であるあなたの既存顧客ではなく、その事例の読者、つまり「見込み客」です。あえて優先順位をつけるなら、究極的には「見込み客1番、既存顧客2番」となります。

 ということは取材先(あなたの既存顧客)がリラックスした雰囲気の中で気分良く雑談してくれるだけでは困ります。そうではなく読者(あなたの見込み客)の興味をひく「価値ある情報」を、頑張って語ってもらわなければなりません。

 では、どうやれば取材先から「他人に読ませるに値する情報」を引き出せるでしょうか。筆者は、それには質問するとき「軽く圧をかける」のがよいと考えています。例えば「何でも三つ聞く」というのも、軽く圧をかけるための一つの方法です。

 あなたが知りたいことが「自社商品を選んだ理由」だとします。そんなときには「弊社の商品を選んだ決め手を教えてください」ではなく、「この商品を選んだ理由を三つ教えてください」と聞いてみましょう。「決め手」を一つ言うぐらいなら、適当に作話すれば答えられます。しかし3点述べるとなると、頭に汗をか いて「思考」をせねばならず、これは大変です。

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