近年、マーケティングへの関心が一層高まっている。書店にはマーケティング関連書籍が山と積まれ、IT業界からは新しいソリューションが次々と発表されている。なぜ今、BtoB分野でもマーケティングが注目されているのか。最近よく聞かれるキーワード「コンテンツ」は、マーケティングにおいてどんな役割を果たすのか。ネットとリアル双方の観点からマーケティング戦略を手がけるNexal代表取締役・上島千鶴氏に聞いた。

「◯◯マーケティング」という言葉は重要ではない

ここ数年、技術革新により新しいマーケティング手法が次々に誕生しています。

上島氏 IT企業やコンサルティング会社が提唱する「◯◯マーケティング」という言葉は、本当に増えていますね。最近は、新しい取り組みのことを「デジタル時代における新マーケティング」「ポストモダンマーケティング」などと言っていますが、根っこには「お客様の購買プロセスや市場が変化する中、生き残るにはマーケティング手法や考え方、売り方自体を変えていかないと」という企業の危機意識があります。「◯◯マーケティング」という言葉は、そうした動きを各視点で切り取った表現にすぎません。

 海外でのマーケティングはオンライン・オフライン含め、統一化された顧客体験をベースに再設計していく手法が注目されています。顧客はどんなシチュエーションのときにどのような情報を知りたいか。顧客が最適なタイミングで心地よい体験ができるようコンテンツを提供する―。見方を変えれば、店舗とネットを融合した「オムニチャネルマーケティング」になるでしょうし、「O2O(オンラインtoオフライン)マーケティング」にもなるでしょう。言葉が重要なのではなく、マーケティングの本質は「顧客視点に立った体験設計」にあり、その目的は「事業や受注に貢献すること」です。

BtoBでもマーケティングが注目されるわけ

BtoB分野でも、マーケティングが注目されるようになったのはなぜでしょう?

上島氏 理由は2つあります。1つは従来のように「プレスリリース」「展示会」「広報誌」「セミナー」など単体で分かれていたマーケティング施策を、数値に基づいて最適投資する動きが出てきたこと。これを後押ししたのが、数値がはっきり出るデジタルマーケティングです。もう1つは、顧客が購買の意思決定プロセスでネットなどデジタルを使うのが当たり前になった今、従来型の営業手法では限界が来ていることです。

「コンテンツをどうやって作ればいいか」といった悩みを抱えている企業も多いようです。改めて「コンテンツマーケティング」の定義をお聞かせください。

上島氏 まず認めるべき事実として、デジタル時代になり顧客自身がWebなど様々なチャネルで情報収集しているということ。BtoBの場合、A社から問い合わせがあってB社の営業担当者が初めてA社を訪問したときには、すでに数社に振るい分け(一次選定)または絞っていることが多いのです。つまりA社はすでにB社についてかなり調べており、具体的に何を聞きたいかが固まっている場合がある。下手をするとA社の方が、営業担当者よりB社の製品や企業について詳しいことさえあります。

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