これから本格化 今から間に合う対策のイロハ

 2016年1月、マイナンバー制度が始動した。

 既に大半の国民にマイナンバー(個人番号)を通知するはがきが送付されている。市役所や町村役場などの行政窓口では、原則としてマイナンバーを記載して住民票や社会保障などの手続きをするように移行した。企業でも従業員からマイナンバーを収集し、社会保障などの手続きに使えるよう整備を進めているはずだ。

 ただし現実に企業の実務でマイナンバーが必要な場面は、中途退職者が出た場合に「健康保険資格得喪届」などの法定書類を作成する場面に限られている。手作業で十分に処理できる範囲と言える。

 マイナンバーを使った大量の事務処理は、2016年末に待ち構えている。従業員が扶養者手当てや保険料控除などを申告して納税額を確定させる「源泉徴収票」など、年度の税務に関わる法定書類の作成だ。

 こうした状況を見越して、「本格的なマイナンバー対策はこれから」という企業が実は多い。

「駆け込み」対策のピークは今秋にくる

 実際に、人事労務の調査機関である労務行政研究所が機関誌のWebサイトで2015年11月に実施した調査でも、企業によって対応の進み具合が分かれている傾向が表れた。「対応がほぼ完了し、あとは従業員から番号を集めるだけ」という回答が39.6%ある一方で、「整備作業を進めている途中」が59.2%と半数を超えている(図1)。

図1●マイナンバー対策、過半数の企業が作業中
人事労務の調査機関である労務行政研究所がWebサイト登録者(主に人事担当者)を対象に2015年11月時点の状況を調査した。左が対応状況、右が対応に要した初期費用である。登録者は意識が高く、大企業の所属が多い傾向だが、過半数が対策作業の途中だった。対策費用は300万円未満が大半を占め、10万円未満も25%を占めるなどコスト抑制派が多い。
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 調査の回答者は人事労務制度に関心が深い人事担当者が大半で、企業規模は幅広いが大企業が多い傾向だ。こうした回答者が所属する企業でも、2015年11月時点では過半数が未対応というのが現状である。

 中堅・中小企業になると、未対応の企業がさらに多くなる。NTT東日本は独自に中堅・中小企業に対してマイナンバー対応状況を調査した。2015年末時点で、対策がほぼ完了している企業は、20%台にすぎなかったという。同社で対策サービスに携わるSMBクラウド担当の山下秀樹担当課長は「マイナンバー対策の需要は今秋の終盤まで続くだろう」と見ている。

 ここでいう「対策」や「対応」、「整備作業」とはマイナンバーを従業員や個人取引先などから収集して、安全に保管・運用できるような「体制作り」を指す。紙の書類をベースに収集、運用することも可能で、社員数が多くなれば情報システムを活用した体制作りが現実的になる。

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