「大手SIベンダーはクラウドに乗り遅れている。次のコンペでは声を掛けるつもりはない」。コーセーの情報システムを率いる小椋敦子 情報統括部長は、旧態依然としたベンダーの姿勢に業を煮やす。

 同社は店舗支援システムの構築をきっかけに、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の利用を開始。オンプレミスでシステム構築を担ってきた大手SIベンダーにAWSへの移行を打診したところ、稼働保証できないと言われたり、法外な見積もりを提示されたりしたという。「大手SIベンダーは変化を拒んでいる」(小椋 情報統括部長)。

 しかし、いくら拒んでも、クラウドシフトの波は容赦なくSIベンダーに変化を迫る(図1)。

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図1 ユーザー企業のクラウド移行の例
クラウド活用で変わるSIベンダーの選択
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 千趣会では、日本IBMのエンジニアがAWSへの移行を進めている。移行対象は、日本IBMが開発、運用してきたオンプレミスのシステムで、400台のサーバーのうち100台の移行を終えた。「AWSに詳しいIBMのエンジニアがいなかったので、情報システム部門のメンバーがAWSの研修でノウハウを蓄積し、IBMのエンジニアにスキルを伝えている」(千趣会 経営企画本部情報システム部 部長代理の中島健氏)。

 自社の製品やサービスを基盤にアプリを開発し、稼働後は末永く運用で稼ぐSIモデル。システム構築の現場がクラウドに移ってきた今、こうした旧来のモデルが崩れ始めた。どのクラウドを使うかはユーザーが決めるが、現状ではAWSやMicrosoft Azureに商談は集まりがちだ。

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