スマートフォン(スマホ)向けの音声通話「VoLTE(ボルテ)」を、従来の回線交換と比べると、(1)高音質、(2)呼び出し時間の短縮、(3)高速マルチアクセス、(4)新サービスの提供──の四つのメリットがあります。

VoLTEの4大メリット
最大のセールスポイントである「高音質」以外にも、呼び出し時間の短縮やデータの高速アクセスなど使い勝手を向上させる特徴がある。
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すぐ接続、低音も高音もキレイ

 真っ先に挙げられるメリットは高音質です。これは音の波形をデジタル信号に変換するコーデックが変わっているためです。3Gで使っていたコーデックが300~3400Hz程度の周波数の音声を対象としているのに対し、VoLTEでは50~7000Hzと対象周波数を上下に大きく広げています。

 このため、例えば男性の低い声(100Hz前後)の場合、3Gでは聞こえないことがありましたがVoLTEならきちんと聞こえるようになるわけです。楽器で出した高音についてもしっかり聞き取ることが可能になります。

 二つめのメリットである呼び出し時間の短縮は、電話番号をダイヤルしてから相手につながるまでが早いことです。VoLTE以前のLTE端末は、音声通話の発信時や着信時にCSFBという仕組みを使って、利用する通信方式をLTEから3Gに切り替えていました。この切り替えが発生するため、相手につながるまでにどうしても5~8秒ほどかかっていました。

 これに対し、VoLTEはLTEのまま音声をやり取りします。発信ボタンを押すとすぐに通話の接続を始めます。そのため、相手もVoLTE端末であれば2~4秒程度で通話が可能になります。数秒の違いですが、「待たされている」という感覚が減るはずです。

 三つめの高速マルチアクセスは、通話中でも高速なデータ通信が可能ということです。CSFBを使った場合を含め、低速な3Gの状態で音声通話しながらデータ通信を利用しても満足いく通信速度が得られません。最悪の場合、利用ができなくなってしまうケースもあります。VoLTEなら、高速なLTEで接続したまま通話するので、話しながらでもデータ通信を快適に処理できます。

テレビ電話や地図情報も

 最後のメリットは、音声通話以外の付加価値を持つ新サービスを実現できる点です。例えばNTTドコモではVoLTE上で、お互いの映像を見ながら通話できる「ビデオコール」を提供しています。いわゆるテレビ電話ですが、LTEで3Gよりも高画質で利用できます。

 KDDIも、VoLTEのサービス開始と同時に「シンクコール」と呼ばれるサービスを提供しました。通話中に、利用中のスマホの画面を相手のスマホに表示させたり、相手に位置情報を送ってマップを表示させたりすることが可能です。

 音声の品質を向上させるだけでなく、音声通話を拡張した新しい使い方ができるのもVoLTEのメリットといえるでしょう。