最近はMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)が提供する「格安スマートフォン(スマホ)」を利用している人が増えています。こうしたユーザーにとって、自分の端末で新しい音声通話技術である「VoLTE(ボルテ)」が使えるのか気になるところでしょう。結論を言うと、格安スマホであってもMVNOが回線を借りているキャリア(MNO)の端末と全く同じようにVoLTEが使えます。

音声通話はMNOだけで処理

 MVNOを使った場合のVoLTEの通信では、音声とデータが別々の経路になります。スマホはMNOの基地局につながり、データを振り分けるゲートウエイ装置「SGW」(Serving GateWay)で音声通話かデータ通信かを見てパケットをMNOまたはMVNOに渡します。

MVNOを使った場合のVoLTEの通信
データ通信はMVNOの設備を経由してインターネットと接続するが、音声通話に関してはキャリアの設備だけを使って処理する。
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 MVNOに渡されたデータ通信のパケットは、MVNO側の設備を経由してインターネットに送られます。一方、音声通話のパケットはそのままMNOの設備内を通って、同一キャリア内または他社の電話設備につながります。この音声通話の流れはMNOで端末を契約している通常のユーザーと全く同じになります。

 このように、音声通話に関してMVNOはいっさい関与しません。そのため、格安スマホのユーザーも、MNOのユーザーと同じようにVoLTEで通話できるわけです。

 例えば、NTTドコモから回線を借りているMVNOのユーザーがドコモのVoLTE対応端末を使っていれば、ドコモのユーザーと同じ条件でVoLTEを利用できます。同じMNVOのユーザーはもちろん、ドコモあるいはドコモの回線を借りている別のMVNOのユーザー相手でも、VoLTEによる高音質な通話を利用できます。

音声電話の実現は大変

 一方MVNOにとっても、自力で音声通話を実現するのは大変です。データ通信なら、インターネットまで接続すれば、その先はルーティングしてパケットが目的地に届きます。ですが音声通話では、つなげたいキャリアすべてに対して、個別にネットワークをつなぐ必要があります。

 国内主要キャリアだけでも三つありますし、国際電話が必要なら膨大な海外のキャリアを相手にネットワークを接続する必要があり、MVNOにとっては手間やコストが膨大でまず不可能です。

 MVNO側で電話番号を管理できないという法律の壁もあります。こうした事情もあり、結果として音声通話に関してはMNOにそのまま任せているわけです。