2018年1月30日に開催された「クラウド時代のネットワーク最適化Forum 2018」のソリューション講演に、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)事業を手掛けるシーディ―ネットワークス・ジャパンの中原嘉隆氏が登壇。同社が「CDN 4.0」と呼ぶ、複数のCDNを組み合わせた新しい運用モデルについて解説した。

シーディ―ネットワークス・ジャパン テクニカルコンサルタント マネージャ 中原 嘉隆氏

 Webサーバーの運用を効率化しようとすれば、オンプレミスとクラウドを混在させるハイブリッド構成が避けられない。だが、中原氏は「ハイブリッド構成には課題がある」と指摘、(1)Web更改の煩雑さ、(2)リソースの全体最適化の難しさ、(3)外部攻撃を受ける箇所が増えること、などを挙げた。

 これらの問題はCDNを使うことで解決できるという。CDNは、コンテンツをキャッシュしておき、アクセスしてくるユーザーに近いキャッシュサーバーから配信することによって、表示時間を短縮するサービスである。登場以来、TCP最適化による動的コンテンツの高速化や、クラウド型CDNサービスの登場など、いくつかの段階を経て進化してきた。

 今後のCDNの進化について中原氏は、「複数のCDNと複数のクラウドを自在に切り替えて活用する時代になる」と指摘する。各社が提供するCDNの性能は日々変化するので、1社と一蓮托生になるのではなく、複数のCDN事業者と契約しておき、性能に応じてリアルタイムにCDNを切り替えるという考え方だ。

 複数のCDNをリアルタイムに切り替えて活用している例として、中原氏は海外の電子書籍配信事業者を挙げた。JavaScriptで常時性能を測定しており、測定した性能に応じてクラウド型DNS(Amazon Route 53)の設定を変更。具体的には、どのCDNにアクセスの何パーセントを処理させるかという重み付けの数値を制御している。

コンテンツの一部を社外に置く手も

 講演の後半で中原氏は、ハイブリッドクラウド構成の運用負荷をCDNで低減した事例を3つ紹介した。

 ケース1は、PDF資料のURLを変えることなくAmazon S3に置く例である。CDN側のリライト機能を使って、自社サイトのディレクトリURLを、Amazon S3のURLに置換する。置換ルールには正規表現が使える。

 ケース2は、自社サーバーが落ちたときにクラウド上に置いたSorryページを配信する例である。CDNのレスポンス検知機能を使ってサーバーが落ちていることを検知し、クラウド側にアクセスさせるようにする。

 ケース3は、コンテンツをクラウドに置きつつ自社サーバーで認証する例である。CDNの認証連携機能を使う。対象ディレクトリのコンテンツは、認証サーバーの配信許可がない限り、配信しないようにできる。