ABM(アカウントベースドマーケティング)を実現するためにどういう機能が必要か。今回はこのテーマについて考えてみよう。

 ABMの先進国でもある米国では、2005年前後に「デマンドセンター」という仕組みが誕生した。BtoBマーケティングの「戦略策定」から「ターゲットデータベースの構築」、「Pull&Push型の案件育成」、「見込み案件の絞り込み」などの機能を統合的に果たすものだ。今やABMの実践に当たって欠かせない機能となったデマンドセンターについて、そもそもこれは何なのか、なぜ必要なのかを考えていきたい。

デマンドセンターとは何か

 デマンドセンターは、いくつかの機能で構成される。マーケティング戦略を決める機能、その戦略に沿ってターゲットとなる企業のキーパーソン=コンタクトのデータベースを構築する機能、さらにMA(マーケティングオートメーション)ツールなどを活用し見込み顧客からのアクションを待つPull型の案件育成機能、そしてテレマーケティングなどのPush型の案件育成機能などがある。そして最終的には、見込み案件を絞り込んで営業に引き渡していく。

 米国は国土が広く、マーケティングやセールスのプロセスで対面の営業活動でカバーできる領域が少なかった。こうした経緯から、「戦略策定」や「ターゲットデータベースの構築」、「Pull&Push型の案件育成」、「見込み案件の絞り込み」などは、マーケティングチームやインサイドセールスチームの担当となっていた。

 それまでは社内の各チームに散在していた機能をABM実践のために統合し再構築したことが、デマンドセンターの成立に結びついたといえる。以下では、ABMに必要な機能を集め、有機的に統合したものがデマンドセンターになるという視点から説明していく。

ターゲット企業群からの売り上げを最大化する方程式

 まずABMを実践するために必要な機能やリソースについて考えてみる。前回、ABMとは「ターゲット企業の集合体をマーケットと捉え、集中的にリソースを投下し、最大のリターンを求めるマーケティング手法である」と説明した。ターゲット企業からの売り上げの合計を最大化することがABMで求めるゴールである。

 そこで、ターゲット企業群からの売り上げを最大化するための方程式を考えると、次のようになる。

【ターゲット企業や部門に対するカバー率】×【コンバージョンレート(商談参加率)】×【商談単価】=リターン(効果)

 最後に商談の勝率という要素があって最終的な売り上げにつなげっていくが、商談の勝率を上げるには多様な要素があり、しかもこの部分には「営業」の領域となる。このため、ABMの主要要素からは外し、「単価の大きい商談により多く参加できるか」をマーケティングのABMのゴールとして設定する。

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