本連載では、これまで、ABM(アカウントベースドマーケティング)を実践するに当たって、ABMを自社で実践するための手順や実現可能なゴール設定の仕方、デマンドセンターの設計手法、具体的な事例などを紹介してきた。最終回となる今回は、ABMを成功に導く三つのポイントを紹介していく。

 ABMとは、企業が「攻略すべき企業群(アカウント)」を絞り込み、「組織として」アプローチして営業活動を仕掛け、その企業群からの「売り上げを最大化する」ことを目的とするマーケティング手法・戦略である。

 前回の記事では、ABMがうまくいかない原因にマーケティング部門と営業部門(関係部門)間のミスコミュニケーションがあると解説した。そのミスコミュニケーションを克服するために、マーケティング部門に「決意」「数値評価」「タレント」というポイントが必要になる。

なぜABMの導入に「決意」が必要なのか

 まず一つめの「決意」から。これはABMを導入する経営層が持つべきものだ。では、どのような決意なのだろうか。

 コンサルタントとしてお客様企業の担当者から、「マーケティングをやってみたけど、うまくいかなかった」という話をよく耳にする。「うまくいかなかった」とは、「短期的な成果を求めた結果」「成果を見いだせなかったのでやめてしまった」というケースが多い。

 つまり、マーケティングに取り組んではみたが、「すぐに結果が出ないので」「途中でやめた」ということだ。こうした考え方でABMに取り組んでも、望む結果は簡単には得られない。

 ABMを成功に導くには、すぐに目に見える成果が出なくても、中・長期的な取り組みをする「決意」を持つことが重要になる。特に現場の担当者よりも、経営トップが決意を持たなくては容易に進まない。企業として決意を明確にし、「成功するまでやり遂げる」という信念を持つ必要がある。

 しかし現実には、「途中でやめてしまう」ケースが多い。その一つの理由に、マーケティング部門のコミットメントが他部門に較べて明確でないことがあるようだ。

 例えば営業部門に「新規開拓を年間10社、そこからの売り上げが100億円」といったコミットメントがあったとしよう。これを達成できないとなれば、社内が大騒ぎになるだろう。

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