国内では、IoT(Internet of Things)への関心は高いが、実際に取り組みを進めている企業は少数派だ。テクノロジの成熟度と人材不足がIoTへの挑戦のブレーキになっている。

 もし取り組み方法に悩む企業があれば、「焦らなくてもいい」と伝えたい。IoTの理想と現実を踏まえ、日本企業が取り組みを進めるステップを解説していこう。

IoTはテクノロジを組み合わせた総合的な取り組み

 ガートナーでは、IoTによるビジネス変革を単品のテクノロジではなく、様々なテクノロジを組み合わせた総合的な取り組みになるとみている。注目するべきテクノロジは次の五つだ(図1)。

図1●IoTで注目するべき五つのテクノロジ分野
(出典:ガートナー)
[画像のクリックで拡大表示]

○センサ

企業が必要とするモノのデータを測定でき、しかもパッケージされた使いやすいセンサが量産されないと、取り組みは始められない。今、市場で簡単に手に入るセンサは既に量産してビジネスが見込める製品に限られているが、今後はIoTへのチャレンジが新たにセンサを量産するほどのインパクトを与えるだろう

○ネットワーク

LPWA(Low Power Wide Area:省電力広域)ネットワークサービスはIoT普及のバロメーターとなるが、まだ始まったばかりである。センサで取得したデータを集められないと利用価値が生まれない。まだモノ同士がつながっていないことでもある

○IoTプラットフォーム

代表的なIoTプラットフォームには、Amazon Web ServiceやGoogle Cloud Platform、Microsoft Azureなどの「汎用クラウド提供型」と、GEやボッシュ、シーメンスなどの「目的特化型」がある。本格的にIoTプラットフォームを必要とするほど市場は成熟しておらず、現時点ではクライアントからの問い合わせは少ない。ガートナーでは、2018年初めてインダストリアルIoTのMagic Quadrant(特定市場のベンダーの相対的な位置付けを示したレポート)を発表した。ここではリーダーは不在で、概念先行型のプレイヤーに日立製作所、米PTC、欧州SAPの3社がノミネートされている状態で、まだ混沌とした状況にある

○デジタル・ツイン

現実のモノの特性をデジタルでリアルタイムに表現するテクノロジだ。数理モデルで機能部位を抽象化して表現するシミュレーションとは異なり、リアルのシステムと仮想のシステムが相互に同期する。ただ設計の現場で使うには、まだ技術的な課題が残る

○セキュリティ

インターネットにつなげることは、悪意を持ったモノにもつながる可能性があるということだ。安全につなげるための防御手段はまだ成熟していない。さらに、モノごとに安全基準が違うことも大きな課題だ。新しい製品やサービスを開発する際に、安全基準も同時に考えなくてはならなくなる可能性が高い

この先は日経 xTECH Active会員の登録が必要です

日経xTECH Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。