Eコマースは、業界業種問わず今後も成長していくと言われ続けてきた。2016年8月に米eMarketerが発表したレポートは、その状況を予測も交えて解説していた。

 レポートは、「世界のEコマース市場は2016年から2020年にかけて、毎年約20%前後の成長率を見せる」と予測していた。全世界の流通小売業全体の成長率が5~6%程度と予測されていたことを考えると、消費者の購買活動がデジタルにシフトする期待の高さをイメージできるはずだ。

 とはいえ、Eコマースは当時でも“マイノリティ”の立場から抜け出せないと考えられていた。eMarketerは、「2020年の全世界の流通小売業市場で、Eコマースの市場規模は14.6%」と予測している。

 市場が急成長したとしても、「2020年時点で85%以上は店舗で買われている」ことになる。Eコマースに対して懐疑的あるいは否定的な見方をする人はその予測を引用しながら、Eコマースよりも店舗施策の優先度を高めることが常だと言うだろう。

 とはいえ、米国が今後1~2年で急速にEコマースにシフトしていくとする予測も存在している。「今後2年間の北米における食料雑貨(Grocery)市場の成長のうち半分は、Eコマースによってもたらされる」――。米ボストンコンサルティンググループは、2018年1月にこうしたレポートを発表した。

 米国の食料雑貨市場は、年間で約6500億ドル(約72兆円)の規模を持つ。その一方でこれまで、Eコマースがあまり浸透していないと考えられてきた。Eコマースからもたらされる売り上げの割合は、全体の2~3%程度でしかない。

 こうした市場が急速にEコマースへのシフトが進むことで、米国のEコマースはさらに拡大すると見られている。

 この成長を支えると考えられているのが、「クリック&コレクト(オンラインで注文した商品を顧客の都合の良い店舗で受け取る方法)」である。これにより店舗は「配送」という、非常にコストの掛かる部分を意識しなくてもよくなる。中小規模の事業者や商店でも、Eコマースにシフトできるようになる。

 消費者側のニーズも高まっている。2018年2月に米ニールセンが発表したデータもその状況を裏付けている。「クリック&コレクトは配送の次のオプションとして考えられることが多くなった」というのだ。

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