多くの企業にとって「デジタルトランスフォーメーション」(デジタル化を通じた企業の事業構造の変革)が重要な課題となっている。しかし、この推進がうまくできている企業はいまのところ数えるくらいしかない。

 米Abraic社が2017年半ばから2018年前半にかけて、米国企業のCIO(Chief Information Officer = 最高情報責任者)らを対象に実施した調査からもその状況が浮かび上がってきた。同社のレポートによると半数以上の企業が「自社のデジタルトランスフォーメーションは想定の3分の1も進んでいない」と回答していたという。一方「4分の3以上進んでいる」と回答した企業は、わずか5%しかない。

 デジタルトランスフォーメーションは企業の一部門だけに限らず、全社的に大きくインパクトを及ぼすものでトップダウンで推進されることが多い。その実現のためには経営陣のリーダーシップが欠かせないと、多くのところで語られてきた。

 しかしトップダウンで推進されることが多い半面、トップの持つビジョンや考え方が現場に浸透していない。そんな事実も指摘されている。

 「経営陣や管理職らがデジタルトランスフォーメーションに対して共通のビジョンを持ち、それを組織内に共有している企業は36%しかない」――。仏Capgemini社は2018年7月に発表したレポートでこう指摘する。トップが何をやりたいのかが見えていないままプロジェクトだけが推進されたことで、なかなか思うように進まない。そんな事象が相次いでいるようだ。

 加えてリーダーシップだけでは、デジタルトランスフォーメーションは実現できない。デジタルトランスフォーメーションを推進するには、経営陣がデジタルに対して十分な知識を持っていることも必須条件である。Capgemini社が2012年に実施していた同様の調査と比較すると、リーダーシップよりもデジタルに対する知識を強く求められていることが見えている。

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