8月上旬に日経 xTECH Activeで公開した上島千鶴氏との対談記事の中で、筆者は「(デジタル)マーケティングの考え方や、求められる機能が、どんどんCRM(顧客関係管理システム)に近づいている」ことに言及した。

 この意味するところは、マーケティングの流れが、「人」つまり「顧客個人」が中心になっていくことだった。この傾向が明確に現れたレポートを、米データ&マーケティング協会(DMA)が2018年8月10日に発表した(編集部注:レポートの全文は、同サイトでアカウント登録後に無料でダウンロード可能)。

 このレポートでDMAは、米国企業のマーケティングが「“data-based”から“identity-based”へとシフトしている」と表現している。つまり、マーケティングが “個”を重視する動きに変わってきているということだ。

  “個”を重視している動きは、今に始まったことではない。DMAは2016年10月に、米LiveRamp社と共同で『The State of People-Based Marketing』というレポートを発表している。

 2年前のレポートの概要を見ると、 “people-based marketing”は当時、「顧客一人ひとりに最適なアプローチを、デバイスをまたぐ(cross-device)かたちで提供するマーケティング手法」と定義されていた。「デバイスをまたぐ」とあるように、主にオンラインを中心に展開されるものとして考えられていた。

 それから2年がたち、DMAは新たに“identity-based marketing”と言葉を換えて、現在の米国企業のマーケティングを評している。その定義も若干変化した。

 DMAは2018年8月のレポートの中で、“identity-based marketing”を「ブランドや企業が、顧客接点やデバイスを横断するかたちで顧客集団(顧客だけではなく見込み顧客や、その他の“訪問者”などを含む)から個を認識し理解することで、顧客個人と自社との関係から、関連性や意義を見出し、包括的なビジネスゴールを達成させるためのマーケティング活動」と定義している。つまり以前よりも顧客の範囲も(オンラインにオフラインを含めた)スコープも広がったと見るべきだろう。

 そしてDMAがレポートの中で強調していたのが「CRMの重要性」だった。様々な角度から顧客一人ひとりを理解することが求められる以上、これは必然的な流れだ。

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