毎年2月と8月に、米デロイトと米デューク大、そして全米マーケティング協会は共同で、『CMO Survey』というレポートを発表している。米国企業のCMO(Chief Marketing Officer = 最高マーケティング責任者)らを対象に実施した調査をまとめたものだ。

 同レポートからは、マーケティング現場の最前線で意思決定している人たちが見据える「1〜5年先の未来」が読み取れる。これが今後のマーケティングのトレンドを考える上でとても参考となる。

 その『CMO Survey』の最新版にあたる2018年8月版が、8月28日に発表された(編集部注:PDFはリンク先からダウンロードできる)。さらなる増加が見込まれる米国企業のマーケティング予算について、いくつもの数字を確認できる。

 同レポートは、マーケティング予算の44%を占めるデジタル関連予算について、「今後5年間のうちにマーケティング予算全体の半数を超える」と予測している。特にソーシャルメディア関連予算が大幅に伸びており、「マーケティング予算全体に対する割合は過去最高の13.8%で、5年後には20%を超え22.9%になる」という。

 だが現実は、その大きな予算投下が結果に反映されているとは言い難いようだ。「ソーシャルメディアが、どの程度企業の業績に貢献しているか」を7段階評価(「7」が最高で「1」が最低)で見ると、「平均が3.4点」だったという。つまり“中の下”くらいの評価となっていた。

 “ビジネスとの連携”という観点で見ても同様だ。「ソーシャルメディアが自社のマーケティング戦略と、どの程度効率よく連携しているか」を7段階で評価したところ、その「平均は4.2点だった」という。さらに「顧客の行動や情報との連携」になると「3.5点」となっていた。

 ソーシャルメディア関連予算が大幅に伸びた背景には、おそらくソーシャルメディアの広告媒体としての積極的な活用と、それを扱う担当者の人件費の増加があると推測される。毎年デジタル広告に割り当てられる予算が10〜15%程度増加している点、そしてソーシャルメディア関連業務の21.7%が外部エージェンシーに委託されており、今回の調査で過去4年間の最高の金額になった点からも裏付けられる。

 この状況は、ソーシャルメディアが“サイロ化”していると表現できるだろう。この問題については、米調査会社Forrester Researchも言及している。2018年8月に発表した最新のレポートで「企業はソーシャルインテリジェンスのポテンシャルを、未だフルに活用出来ていない」というセクションを冒頭に設けている(編集部注:レポート全文を読むには購入が必要。引用部分はリンク先ページの「Table of Contents」にある)。

 同時期に米Marin Software社も『The State of Digital Advertising 2018』と題したレポートを公開した(編集部注:レポートは個人情報の登録後にダウンロードできる)。この中で同社は、「ソーシャルメディア広告とリスティング広告の連携について課題がある」と指摘している。

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