今週の金曜日、つまり11月23日は米国で2018年の「ブラックフライデー」に当たる。年末商戦がここから本格的にスタートするわけだ。

 ただし近年は、ブラックフライデー前のタイミングで消費者に購買を促す動きが加速しているという。年末商戦自体が年を追って前倒しされているようだ。

 米Nanigans社は調査結果を基に、「米国では28%の小売業が9月から年末商戦に関するオンライン広告を展開し始めている。遅くとも10月中には64%の企業が広告を出している」と指摘している。

 これまでずっと、米国でブラックフライデーはある種の“お祭り”となってきた。毎年のこの時期にはオンライン/オフラインを問わず数多くの広告が投下され、最も大幅に値引き販売をしている小売店はどこかとか、どんな商品カテゴリーが安く売られているかとかいったランキングが、ニュースとして頻繁に登場する。

 購買意欲をあおられた消費者は夜明け前から店の前に並び、開店と同時にお目当ての商品の売り場に猛ダッシュし、お買い得品の争奪戦を繰り広げる。これはまさに米国の秋の風物詩といってもいいだろう。

 米Deloitteは2018年10月に発表した調査結果で、「2018年は米国全体で年末商戦を通じて、1兆1000億ドル(約124兆円)を売り上げる」と予測している。これは2017年と比較すると5%ほど高く、年間の売り上げの25%以上を占めるという。

 先ほど“お祭り”と書いたものの、夜明け前から店に並ぶ消費者が減り始めていることも見えてきた。米Genesys社が2018年11月1日に発表した調査によると、「ブラックフライデー当日に店舗に出向いて買い物をすることを考えている消費者は、全体の37%にすぎない」という。それ以外はオンラインでの購入を考えているということだ。

 特に「55歳以上の年齢層になると、店舗で買い物をする消費者の割合は25%にまで下がる」と指摘している。25歳から34歳のいわゆる「ミレニアル世代」の60%が店舗で購入を予定しているのに比べると、非常に大きな差といえる。

 多くの消費者が店舗で購買をしなくなった最大の理由は「店が混んでいるから」。全体の67%がこう答えたという。お買い得品の争奪戦が店舗からオンラインに移るのもやむをえない。店舗で買うのと同じくらい、オンラインの購買体験が充実してきたともいえる。

 冒頭の米Nanigans社は上の調査結果で、「年間のインターネット広告費の25%は、ブラックフライデーからサイバーマンデーの4日間に集中投下される」としている。しかもその63%は、ブラックフライデー当日に一気につぎ込まれているという。実店舗からオンラインへと購買の場を移した消費者を確実に取り込むために、広告の出稿戦略までも変わってきている。

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