ITproマーケティングが2017年5月23日に大阪で開催した「BtoBセールス&マーケティングSummit Summer in 大阪」で、神戸大学大学院経営学研究科 教授 評議員 博士(商学) 南知恵子氏は、製造業のサービタイゼーションが進行している状況を強調した。「BtoBマーケティングにおける価値訴求-『製造業のサービス化』とICTの役割-」と題した講演では、製造業のサービス化が進む中でのICTの役割と重要性について解説した。

製造業のサービス化の動きがレベルアップし加速している

神戸大学大学院経営学研究科 教授 評議員 博士(商学) 南知惠子氏
(撮影:行友重治)
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 講演の冒頭に南氏は、「今、製造業のBtoBマーケティングにデジタル化の波が急激に押し寄せている」と切り出し、「新世代ICTという言葉で表現されることもあるが、ICTの役割も今、大きく変化している」と続けた。「その変化が端的に表れているのが製造業だ」として、製造業のサービス化におけるICTの役割について話を始めた。

 南氏はまず、製造業がビジネス戦略を立案するときの発想法について述べた。自社に中核技術があり、その技術を製品化したプロダクトがあり、それを購入してくれる長年の顧客企業がいるというのが一般的なビジネスの構造だろう。新規市場に入り込むためには、コア技術から生まれた製品を携えて営業部門が攻め込んでいく。それが通常のスタイルといえる。

 ただし、そうした製造業のスタイルが変わりつつあると南氏は指摘する。「製造業の『サービス化』の動きがここにきて、さらに顕著になってきた」のだ。

 例えば、「我が社には高い技術力がある」「品質でも負けない」ものの、「新興企業と比べると価格面では厳しい」と考えている製造業があるとする。そうした企業では、高い技術力に裏打ちされたプロダクトこそが売るべき「製品」となる。それだけに安直なディスカウントはできない。

 そこで、手厚いアフターフォローや納期遵守、フレキシブルなデリバリーなどで付加価値を高めようとする。製造業のサービス化の典型的な例だが、南氏は「この発想法そのものを『もっとレベルアップできないか』という相談をよく受ける」という。

 どうレベルアップしていけばいいのか。アフターフォローをさらに手厚くするといった従来の発想のままでは、サービス部門が今まで以上に頑張らなければならなくなる。これでは製造業はあまりもうからない。「顧客にとっても自社にとっても、『価値を獲得できる』ことを目指さないといけない。要するに付加価値をいかに提供できるかにかかっている」(南氏)。

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