この連載では、普段の仕事で役立つちょっとした法則や公式を紹介します。今回は、ムダな残業をなくす法則です。
IT担当者なら実践している?「KISSの法則」
効率的な仕事をするには、簡潔さが求められるケースが多いですね。そこで役立つのが「KISSの法則」です。
この法則を生み出したのは、航空機製造のロッキード社の技師ケリー・ジョンソン。「Keep It Simple, Stupid」もしくは「Keep It Short and Simple」の略で、「短く、シンプルにしておけ」という意味です。経験的な原則から生まれました。
たとえば、ジョンソンが設計チームの監督をしていたとき、「戦闘中に故障しても、普通の工具で修理できるようなジェット機の開発をしろ」といった課題を出したという逸話もあります。
この法則はサイトデザインやSEOで用いられるIT用語としても知られているため、IT業界では知っている人は多いのではないでしょうか。
たとえば、次のようなことが言えそうです。
・Webサイトの構成は、簡潔なほど読み込みに時間がかからず使いやすいページになり、ひいては検索件数を増やすことにつながる。
・SEO対策であらゆることを網羅しなければならなくとも、可能な限り簡潔にすることを心がけたほうがソースコードの論理的エラーが起こりにくく、スムーズになる。
IT業界に限らず、企画書はA4サイズ1枚に簡潔にまとめる、といった決まりがある企業は少なくありません。また、説明は簡潔にするほうが相手に伝わりやすいといったことは、ビジネスの常識といっても過言ではないでしょう。
KISSの法則で、社内システムの改善を考えてみるのもいいかもしれません。
たとえば、会議にムダが多いと感じる場合、準備や後片付けまで含めた課題を解決してくれるWPS(ワイヤレスプレゼンテーションシステム)の導入を提案してみるのもいいでしょう。これなら自分だけでなく、社内規模でKISSの法則を実践することができます。
このようにKISSの法則を意識すれば、ムダな残業を減らすことにつながるでしょう。