ノークリサーチは2017年3月21日、調査レポート「2017年版 中堅・中小企業におけるIT投資の実態と展望レポート」のサンプルおよびダイジェストとして、IT企業が注目すべきITソリューション分野24項目に関するユーザー企業の投資傾向に関する分析結果を発表した。

IT運用管理アウトソーシング市場規模(年商別)
(出所:ノークリサーチ)
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 ポイントは大きく3つある。(1)「IT運用管理アウトソーシング」は年商50~500億円の中堅企業層が無難な訴求先となる。(2)「ワークスタイル改革」と「人工知能/機械学習」は業種別活用シーンへの具体化が不可欠。(3)「対話型ロボット」だけでなく、「音声指示/音声操作」全般に広げた業務支援を検討すべき。

 調査では、「クラウドソーシング」「間接業務アウトソーシング」「運用管理アウトソーシング」といったように、業務の外部委託に関する項目について投資意向や投資金額を尋ねた。

 クラウドの普及による影響などもあり、主に大企業を対象としてユーザー企業の社内に設置されたIT資産の管理/運用を担う「IT運用管理アウトソーシング」市場は、今後は徐々に縮小していく可能性がある。こうした状況を踏まえて、中堅・中小企業を新たな訴求先として検討するIT企業も少なくない。

 ただし、IT管理運用アウトソーシングのために新たな支出を行うという選択になりづらいのが実情だという。実際、年商別の市場規模では、年商5億円未満の小規模企業層や年商5億円以上~50億円未満の中小企業層は企業数が多いにも関わらず市場規模があまり大きくなっていない。

 調査では、「ワークスタイル改革」についても尋ねた。市場規模は、年商5億円未満の小規模企業層や年商5億円以上~50億円未満の中小企業層で大きい。ワークスタイル改革が指し示すITソリューションは非常に幅広く、情報系のシステム/サービス活用や新たな端末の導入、業務システムの改善など多岐にわたる。

 IT企業が市場規模に見合った成果を上げるためには、「ワークスタイル改革」という用語だけでなく、業種による違いを踏まえた具体的なITソリューションの訴求が必要となる。調査レポートでは、年商別だけでなく業種別の市場規模に基づく分析によって、ワークスタイル改革を訴求すべき業種などの提言を行っている。

 調査では、「人工知能/機械学習」についても尋ねた。中堅・中小企業が人工知能/機械学習に期待しているのは、RPA(ロボットによる業務の自動化)などを実現する他のITソリューションを高度化する基盤としての役割である。調査レポートでは、ディープラーニングが実現する高度なパターン認識を業種別の活用シーンにどう落とし込むかについて解説している。

 「音声指示/音声操作」や「対話型ロボット」も注目を集めている。ただし、対話型ロボットの現状を見ると、「複数人が同時に話しかけると対応できない」など、人間が担っている接客業務を完全に代替することは容易ではないと考えられる。調査レポートではこうした課題を踏まえた上で、対話型ロボットをどう活かすかを解説している。