ノークリサーチは2016年11月28日、調査レポート「2016年版中堅・中小企業における業務支援クラウドの動向予測レポート」のサンプルおよびダイジェストとして、国内の中堅・中小企業における業務支援クラウドの活用意向と課題/ニーズに関する分析結果を発表した。

今後利用したいと考える業務支援クラウド
(出所:ノークリサーチ)
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 ポイントは4つある。(1)「業務支援クラウド」と「従来型業務システムのクラウド移行」は区別して捉える必要がある。(2)「活用意向の高い業務支援クラウドの種類は何か」は年商や業種によって変わってくる。(3)サービス種別ごとに活用頻度/利用人数/許容できる費用を把握し、損益分岐点を見極める。(4)中堅・中小企業が「業務支援クラウド」に関して最も懸念しているのは「サービスの継続性」である。

 調査の対象となった業務支援クラウドとは、従来型業務システムのクラウド移行とは別物である。もともとパッケージとして存在していたソフトではなく、最初からクラウドで登場したサービスを指す。例えば、交通費精算クラウドや名刺管理クラウドなどのように、部分的な業務をサービス化したものが相当する。

 年商5億円以上~50億円未満の企業層に対し、「今後利用したいと考える業務支援クラウド」(複数回答可)を尋ねたところ、「会計処理の簡便化サービス」(14.7%)と「名刺管理サービス」(14.7%)が1位だった。3位は「社員のモチベーション向上」(13.3%)、4位は「クレジットカード決済サービス」(6.7%)だった。

 年商別だけでなく業種別でも集計した。小売業では、名刺管理サービスの割合が12.3%で4位と低くなる一方で、クレジットカード決済サービスの割合が14.3%で2位と高くなった。

 このように、年商や業種によってユーザー企業が今後利用したいと考える業務支援クラウドの種類は異なる。IT企業側としては、企業属性による違いを踏まえながら、業務支援クラウドを自社の提案に適切に取り入れることが重要となる。

 業務支援クラウド活用に関する「想定される懸念事項」や「今後のニーズ」についても詳しい集計と分析を行った。年商500億円未満の中堅・中小企業全体では、「無償であったサービスが急に有償になる」、「十分なセキュリティ対策が講じられていない」、「サービスが突然提供されなくなってしまう」、「サービス内容や機能が急に変更される」といった項目が多く挙げられている。

 これら4つの項目のうち3つはサービスの継続性に関連する事柄である。業務支援クラウドを提供する事業者としては、サービスの拡大/転換があった時でも、既存のユーザ企業が問題なく継続/移行できるように配慮することが重要となってくる。