ノークリサーチは2016年10月20日、調査レポート「2016年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「CRM」カテゴリのサンプルおよびダイジェストとして、国内中堅・中小市場における「CRM」の導入社数シェアとユーザ企業の課題/ニーズに関する分析結果を発表した。

最も主要なCRM製品/サービスの運用形態
(出所:ノークリサーチ)
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 ポイントは3つある。(1)多くの製品/サービスでシェアを分ける状態が続き、上位5社においても1割前後に留まっている。(2)導入形態における「ASP/SaaS利用」の割合が9.4%(2015年)から16.7%(2016年)に増加した。(3)個別機能の充実だけでなく、「ユーザー企業独自のアプリケーション作成」への対応が重要である。

 中堅・中小企業におけるCRM活用は、会計やグループウエアなどの他の業務システムと比べて新しい分野といえる。このため、導入社数シェアも数多くの製品/サービスが少しずつシェアを分け合う状態が続いている。オンプレミス/SaaS双方の形態で提供されているものに関しては双方を合わせたシェア数値となっているが、それでもシェア上位5社におけるシェア数値は1割前後に留まっている。

 具体的には、1位は日本マイクロソフトの「Microsoft Dynamics CRM」(12.5%)、2位は大塚商会の「SMILEシリーズ」(9.4%)だった。3位から5位までは同率で、SAPジャパンの「SAP CRM」(8.3%)、ソフトブレーンの「eセールスマネージャー」(8.3%)、セールスフォース・ドットコムの「Salesforce Sales Cloud/Service Cloud」(8.3%)だった。

 オンプレミスかSaaSかについて、最も主要なCRM製品/サービスの運用形態を尋ねた結果、「ASP/SaaS利用」の割合が2015年(9.4%)から2016年(16.7%)へと増えた。これに関連して、タブレットやスマートフォンも含めた「端末環境」にも注意を払っておく必要があるとノークリサーチは指摘する。

 CRMを導入済みのユーザー企業に対して、抱えている「現状の課題」ついて尋ねたところ、1位は「導入後の保守/サポート費用が高価である」(14.6%)、2位は「独自のアプリケーションを自社で作成できない」(8.3%)だった。3位から5位までは同率で、「顧客の嗜好に合わせた商材や情報を提供できない」(6.3%)、「ファイル共有の機能が不十分である」(6.3%)、「カスタマイズした箇所を維持するためのコスト負担が大きい」(6.3%)だった。

 この結果を見ると、「独自のアプリケーションを自社で作成できない」や「カスタマイズした箇所を維持するためのコスト負担が大きい」といったように、ユーザー企業が独自の機能を実装する取り組みに関連の深い項目が目立つ。つまり、CRMにおいては「個々の機能を充実させる」だけでなく、「ユーザー企業が独自のアプリケーション作成やカスタマイズを行える」という仕組みを提供することが重要と考えられると指摘する。