現在のシステム開発の現場は、どのようなトラブルに悩まされているか。過去と比べてトラブルの数や性質は変わっているのか。第一線で活躍する経験豊富なエンジニア3人が、覆面座談会で赤裸々に実態を語った。

(聞き手は白井 良)

以前から「システム開発プロジェクトにはトラブルがつきもの」と言われてきました。今も変わっていないのでしょうか。

A氏  増える傾向にあると感じています。プロジェクトが短期化して、以前ほど上流工程でカチッと決められなくなっています。その一方、システムへの要求水準は高まっています。セキュリティやUIといった面で、プロジェクト中に要件が肥大化することが増えています。ただ、利用部門のITリテラシーが向上していて、理不尽な要求は減っていると感じます。正しい指摘だからこそ、エンジニアとしてはちょっと痛いところですね。

B氏  ステークホルダーも多様化しています。複数部署に影響するようなプロジェクトでは部署間の調整が必要になりますが、利用部門の担当者がまとめきれないことが多くあります。最後には役員が出てきて鶴の一声で何とか収める、となってしまうプロジェクトが散見されます。

C氏  技術面でもトラブルが増えていると感じます。クラウドでITインフラの用意が手軽になりましたが、検証が不十分なプロジェクトが増えました。クラウドベンダーのセールストークを真に受けて、インフラエンジニアなしでプロジェクトを進める現場もあります。システムテストで性能が出なかったり、大量データを扱えないと分かったりしてインフラの設計ミスが発覚、なんていうトラブルを2016年後半ころからよく聞くようになりました。

A氏  クラウドもそうですが、新しい技術がどんどん登場していることで、協力会社のスキル不足に起因するトラブルが恒常的になっていますね。最近の技術はスキルがないと生産性がゼロになってしまう。例えばJava 8のラムダ式といった新技術をフル活用したシステム開発の現場に、Java 5時代のスキルしかない人をアサインしてもプログラムを1行も書けません。

B氏  うちでもありました。技術に強い社員が頑張って、新しい技術をフル活用したスマートな設計を作ったのです。しかし、実装担当の協力会社のメンバーがよく知らない技術を使ってしまった。いざ開発が始まったら全然進まない。教育も実施してもらっていたのですが、あまり効果がありませんでした。新技術で工数を減らせるという計画だったのに、逆の結果になってしまった。

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