企業ネットワークに10年ぶりとなる大きな変革の兆しが訪れようとしている。Office 365に代表されるパブリッククラウドの急速な普及により、企業のIT基盤は抜本的な見直しを迫られている。これをチャンスとみた事業者やインテグレーターが「クラウド最適」をうたって積極攻勢を仕掛けている。その先兵となるのが「SD-WAN」。クラウドから端末まで、フラットにシンプルにつなぐ理想の企業ネットを目指した動きが今始まった。

 SD-WANへの取り組みを本格化させたのが、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)である。2017年3月、企業ネットワークを丸ごと仮想化して、マネージドサービスも併せて提供する「SDx+M」ソリューションを発表した。「SD-WANの先行ユーザーから、変更をかけたり故障にあったりした際の運用に苦労していると聞いた。自身で維持していけるケースは限られるようだ。こういうユーザーに向けて、マネージドサービスを提供していく」(同社の山下達也・技術開発部長)。

 これに先立つ2016年7月から、米クレイドルポイントのSD-WAN製品を活用した「ホワイトクラウド OneLayer on Cradlepoint NetCloud」を提供しているのがソフトバンク。SSL-VPNの機能をクラウドに持たせ、インターネット上にオーバーレイネットワークを構築。そこにVPN接続させたい端末にエージェントソフトをインストールして、クラウドから集中制御するアプローチを取る。企業ネットワークの見直しソリューションとして提案するほか、「IoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)の市場もターゲット」(ソフトバンク サービスプラットフォーム開発本部セキュリティサービス部の新居久朋部長)。どんな端末からも、フラットでシンプルに接続できる点をアピールして、LANやWANといった区分のない市場も取っていく。

 2015年9月から提供している「IIJ Omnibusサービス」の機能強化を着々と進め、LANから他社クラウドに至るまでネットワークの「One Cloud化」を実現しようとしているのが、インターネットイニシアティブ(IIJ)である。具体的には、拠点に設置するCPE(サービスアダプタ)に無線AP機能やSD-LAN機能を加えたりして、制御可能なSDN範囲を拡大している。

 このプラットフォームで訴求するのは、セキュリティの運用管理を一手に引き受けること。「企業でセキュアな環境を守るためには、端末まで管理する必要がある。どんなセキュリティソフトが入っているのか、どこにつなごうとしているのか、攻撃者の侵入を許していないか、というったことは、クラウド上にためた最新の脅威情報を基に、一元的かつ動的に管理したほうがいい」(同社 サービスプロダクト事業部副事業部長兼サービス推進部部長の林賢一郎氏)。

SDx+M▲
SD-xにはSD-WANを含む「SD-NS」(SD Network Service)、「SD-LAN Solution」、「SD Exchange Service」などのサービスが含まれる。Mはマネージドサービス。
マネージドサービスを提供▲
海外のケースになるが、米国の大手銀行であるFifth Third Bankは米ヴィプテラの製品を導入してSD-WANを構築。そのマネジメントを米ベライゾンが担当する。
エージェントソフト▲
このほか、拠点に設置するCPEを今秋にも発売する予定。
企業ネットワークの見直し▲
このほか、閉域網の代替といった直近の要求については、「SmartVPN 2.0」の機能拡張でサポートする。
他社クラウド▲
AWS(Amazon Web Services)など他のクラウド上に、IIJのSD-WANソフトウエアを展開することで実現する。

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