東レは、「世界最高レベル」(同社)の柔軟性を持つポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を開発した(図、ニュースリリース)。PPS樹脂の特徴である耐熱性や耐薬品性を維持しながら柔軟性を高めた。自動車の配管部品の樹脂化や部品点数の削減、工程の簡略化を図れる。

図:中空配管の成形品
(出所:東レ)
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 材料設計を工夫するとともに、2種類以上の樹脂をnm単位で最適に混合する技術「ナノアロイ」をベースとしたアロイ精密制御技術を用いてポリマー構造を最適化し、弾性率が1200MPa以下のPPS樹脂を実現した。170℃で1000時間処理しても機械強度が低下せず、酸やクーラントに対する耐性が高いことも確認しているという。併せて同社は、自動車配管用途への展開を見据えて、中空配管にしたときの加工性の検証や、樹脂特性の調整も進めてきた(図)。

 PPS樹脂は主に金属の代替品として、耐熱性や高い強度が求められる自動車部品で普及している。柔軟性を必要とするパッキンや配管などにはエラストマーを配合したPPS樹脂を使用する場合が多いが、耐熱性や耐薬品性を維持しながら柔軟性を高めるのが難しかったという。

 同社は開発品について、生産体制の準備を進めている。既に自動車の配管向けに提案を開始しており、2019年4月から自動車分野を中心に提案を本格化する計画だ。

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