旭化成エレクトロニクスは、中国のETC(Electronic Toll Collection)規格「GBT 20851-2007」に準拠したRFトランシーバーIC「AK1555」を発売した(ニュースリリース)。5.9GHz帯に対応した短距離通信向けである。特徴は、パワーアンプと低雑音アンプ(LNA)を内蔵したことである。このため外付けのパワーアンプや低雑音アンプを使わずに、送信出力が受信感度などのRF特性に関するGBT 20851-2007規格をクリアできるとする。さらに、内蔵したレジスターに書き込むデータで送信出力や受信感度を調整できるため、アンテナ内蔵型とアンテナ分離型のどちらのETC端末にも適用できる。同社によると、「中国では、自動車の普及によって、交通渋滞が増加したり、大気汚染が深刻になったりしている。ETCは、高速道路料金所での渋滞緩和や、渋滞減に伴う大気汚染削減の効果があるとされ、普及が進んでいる」という。

中国のETC規格に準拠したパワーアンプ内蔵RFトランシーバーIC。。旭化成エレクトロニクスの図
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 変調方式はASK(Amplitude Shift Keying)。送信時の最大データ伝送速度は512kビット/秒。受信時は256kビット/秒。送信電力は、パワーアンプを内蔵したため+10dBmが得られる。最小受信感度は−75dBm(標準値)。同一チャネル選択度と隣接チャネル選択度はいずれも8dB(標準値)を確保したため、高い妨害波特性が得られるという。FM0変復調モデムとFIFOバッファーを備える入出力インターフェースと、モデムとバッファーを使わない入出力インターフェースを用意した。前者のインターフェースは「Frame Data Mode」に対応しており、後者は「Raw Data Mode」に対応する。採用するETC端末のアーキテクチャーに応じて、いずれかのモードを選択できる。

 車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠する。電源電圧範囲は+3.15〜3.45V。消費電流は、送信回路が160mA、受信回路が62mA。パッケージは、実装面積が5.0mm×5.0mmの32端子QFN。動作温度範囲は−40〜+85℃。価格は明らかにしていない。