独Infineon Technologies(インフィニオン)社は、光音響効果による分光法を採用した二酸化炭素(CO2)センサーモジュール「PAS210」を開発した(ニュースリリース)。エンジニアリングサンプルの出荷は2020年第1四半期に開始する予定で、量産は2020年上期に始める計画だ。同社のMEMSセンサー製品群「XENSIV」に含まれるものだ。

光音響効果による分光法を採用したCO2センサーモジュール。Infineon Technologiesの写真
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 光音響効果とは、アレクサンダー・グラハム・ベルによって100年以上前に発見された物理現象である。物体が光エネルギーを吸収すると、それによる熱膨張によって音響波を発生するというもの。今回は、この音響波をMEMSマイクロフォンで検出する。具体的には、赤外光源からの光を狭帯域の光フィルターに通すことで、波長が4.2μmの赤外光だけを取り出す。これを吸収用チャンバーに取り込んだ空気に照射し、発生した音響波をMEMSマイクロフォンで検出するという仕組みだ。この一連の処理を実行する光音響トランスデューサーとマイコン、MOSFETを1枚のプリント基板に実装した。表面実装に対応する。外形寸法は明らかにしていないが、「(光学式や電気化学式などの)既存のCO2センサーに比べると、外形寸法を75%削減できる」(同社)という。ビルオートメーション機器、空気清浄機やエアコンといったスマート家電、空気品質(大気汚染)モニター、スマート室内照明器具などに向ける。

光音響分光方式のCO2センサーモジュールの原理図。Infineon Technologiesの図
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 CO2濃度の測定範囲は0〜1万ppm。測定誤差は±30ppm、もしくは±3%である。動作寿命は、パルスモードにおいて10年に達するという。測定結果はデジタル信号で出力する。その出力インターフェースはI2Cバス、UART、PWMのいずれかを選択できる。電源電圧は+3.3Vと+12V。動作温度範囲は0〜+50℃。価格は明らかにしていない。