新電元工業は、Xコンデンサー放電機能を搭載したLLC電流共振型電源用制御IC「MCZ5216ST」を発売した(ニュースリリース)。同社従来品である「MCZ5211ST」に、Xコンデンサー放電機能を追加したICである。Xコンデンサーとは、電源回路の1次側において、高電圧ラインとグラウンドラインの間に挿入するコンデンサーのこと。同社によると、「Xコンデンサー放電機能を内蔵することで、待機時の消費電力を25%削減することが可能になった」という。交流(AC)入力をダイオードブリッジ回路で整流し、その後安定化した直流(DC)電圧に変換するスイッチング電源(AC-DCコンバーター)に向ける。具体的な応用先は、レーザー・ビーム・プリンターやオーディオ機器、薄型テレビ、LED照明器具、産業用電子機器などである。

Xコンデンサーを放電可能なLLC電流共振型電源用制御IC。新電元工業の写真
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 LLC電流共振は、2つのインダクター(L)と1つのコンデンサー(C)による共振現象を使ってスイッチングすることで、変換効率の向上と放射電磁雑音(EMI)の低減などを実現できる電源回路トポロジーである。出力電力が100〜500W程度のスイッチング電源に用いられるという。新製品のICは、ハイサイドとローサイドのスイッチング素子を外付けして使用する。スイッチング素子を駆動するゲートドライバー回路は内蔵した。スイッチング周波数は最大で500kHzに設定できる。このため電源回路の小型化が可能という。+600V耐圧の起動回路を内蔵した。アクティブスタンバイ機能やバースト機能を内蔵しているため、従来必要だった補助電源を削減できるようになるという。パッケージは18端子SOP。動作接合部温度範囲は−20〜+120℃。すでに販売を開始している。価格は明らかにしていない。