ソニーは2018年7月31日、手のひらサイズのマイコンボード「SPRESENSE(スプレッセンス)」を発売した。ハイレゾ音源の録音/再生機能や消費電力の低さなどで、先行するRaspberry Piと差異化を図る。価格はメインボード「CXD5602PWBMAIN1」が税抜き5500円、オーディオ入出力端子やSDカードスロットなどを備える拡張ボード「CXD5602PWBEXT1」が同3500円。

ソニーが発売した、手のひらサイズのマイコンボード「SPRESENSE(スプレッセンス)」
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 子会社のソニーセミコンダクタソリューションズがウエアラブル端末向けとして開発した、Cortex-M4Fを6個内蔵のシステムLSI「CXD5602GG」を中核とする。これに加えて、オーディオや電源処理を担うシステムLSI「CXD5247GF」、Arduino互換の拡張ピンソケットやマイクロUSBポート、カメラインタフェース、SDカードスロットなどを搭載している。開発環境としてArduino IDE、Eclipse IDE、SOLIDが使えるほか、中国NeusoftがScratchベースの開発環境を提供予定。本体サイズはメインボードが幅20.6mm×高さ50mm、拡張ボードは幅53.3mm×高さ68.6mm。

ソニーセミコンダクタソリューションズの社員が制作した、SPRESENSEを組み込んだカセットテープ(右)。アナログカセット対応の初代ウォークマン(左)でデジタル音源を再生できる
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 同社は今回の製品を、BtoBとBtoCの双方で展開する考え。BtoBではドローンやスマートスピーカー、ロボットなどへの組み込み用途や、音声入力やカメラ入力を活用した故障予兆管理や異常検知などへの展開を主に想定している。併せてBtoCに向けても、ハードウエア情報の開示や開発環境の提供、拡張ボードのラインアップ拡充などを通じ、同製品を活用した電子工作などで開発者コミュニティの醸成を目指す。

ソニーセミコンダクタソリューションズの社員が制作した、SPRESENSEを組み込んだライントレースカー
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 同社は8月4~5日に東京ビッグサイトで開催される「Maker Faire Tokyo 2018」に同製品を出品し、併せて同製品を活用した電子工作のデモ展示を実施する。例えば同製品をカセットテープに組み込み、アナログカセット版のウォークマンでSDカード内の音源を再生するデモ、GPS内蔵のドローンやライントレースカーの展示などを実施する。ソニーセミコンダクタソリューションズで同製品の商品企画を担当した太田義則氏は「将来はRaspberry PiやArduinoに並ぶ存在となり、多くの開発者がさまざまなアプリを出してくれるようになりたい」と意気込みを語る。