デジタルソリューション(本社広島市)は、有限体積法(FVM)による汎用3D流体解析ツール「Wildkatze」を開発した。ユーザーがC++でプログラミングすればソルバー内部のほぼ全ての変数と設定へのアクセスできるようにして、カスタマイズしやすくした。

 同ツールではまず、物理モデルの柔軟に適用できるようにした。通常、さまざまな物理現象が混在する流れ場を1つの物理モデルで表すのは難しい。同ツールでは、解析領域を分割し、ある領域ではLES(Large Eddy Simulation)モデルを、別の領域ではRANS(レイノルズ平均)モデルの1つであるK-ω乱流モデルを使用するなど、異なる物理モデルを組み合わせて使える。さらに、物理モデルごとに、タイムステップや勾配計算のスキームを選べる。

 運動する構造体に伴う流れを解析する場合、構造体と周囲の流体に対して異なるメッシュを生成する。構造体の運動が流体におよぼす影響については、メッシュ間をカップリングして計算するため、解析時にメッシュがつぶれて解が発散するのを防げるという。

 物理モデルの機能としては、乱流モデル(RANSモデル、LESモデル)や混相モデル〔VOF(Volume of Fluid)モデル、代数ドリフトフラックスモデル〕、自然対流(フジネクス圧縮)、表面張力モデル〔(CSS(Cascading Style Sheets)モデル、CSF(ConVnuum Surface Force)モデル〕、Immersed Boundary、重力モデル、エネルギーモデル、熱解析などに対応する。例えば、走行する自転車の周囲の空気の流れをImmersed Boundaryでシミュレーションする、RAE 2822翼の周りの圧縮性音速流れを、RANSモデルであるSpalart Allmarasを使って2次元で解析する、といった使い方を想定している(図)。

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図:「Wildkatze」による解析例
自転車周囲の空気の流れのシミュレーション

 価格については要問い合わせ。大学や研究機関による非商用利用に限り、1年間無償とする。