英アーム日本法人は2018年8月22日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)基盤の国内提供を始めたと発表した。IoTシステムの構築に必要な機器管理とネットワーク接続管理、データ管理の機能を一括して提供できるサービスとして売り込む。アームの既存技術と、アームが買収した英ストリーム・テクノロジーズと米トレジャーデータの2社の技術を組み合わせる。

 「Arm Pelion IoT Platform(アーム・ペリオンIoTプラットフォーム)」の提供を始めた。ストリーム・テクノロジーズが開発した接続管理機能により、機器を設置した地域に応じた適切な回線を自動選択してネットワーク接続を確立する。アームが開発した機器管理機能では、機器の認証や設置後のソフトウエア更新、ライフサイクル管理などができる。トレジャーデータ製のデータ管理機能はデータの収集を担う。多様な種類のIoT機器や外部から大量のデータを高速で収集し、整理できる。

 アームでIoTサービスグループを統括するディペッシュ・パテル プレジデントは同日に開催した記者説明会で「細分化した多種多様な機器に一括して対応できるのが強み」と述べた。アームが提供するIoT機器向けの半導体設計やソフトウエアとの連携により、センサー機器から大型の装置までを一貫して接続するIoTシステムを構築しやすくする。

トレジャーデータ共同創業者の芳川裕誠氏はアームによる買収を機に世界最大のビッグデータ基盤を目指すとした
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 アームが買収したトレジャーデータはIoTサービスグループの一部となり、トレジャーデータの共同創業者でCEO(最高経営責任者)を務めていた芳川裕誠氏はアーム IoTサービスグループ データビジネス担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーに就任した。芳川氏は「アームによる買収はまったく後ろ向きなものではない」と話した。デジタルマーケティング向けのデータ管理基盤としての事業はこれまで通り継続しながら、それ以外の分野に広げるチャンスだと判断した。アームによる買収をきっかけに「人のデータとデバイスのデータを統合したデータ基盤の構築を支援していく」と意欲を述べた。

 記者説明会にはソフトバンクの宮内謙社長が登壇した。宮内社長は「トレジャーデータがソフトバンクグループの一員になったことをうれしく思う」と述べ、「あらゆる産業でIoTが一気に加速しようとしているタイミングで企業向けのIoT基盤を準備できた」とIoT関連事業の拡大に自信を見せた。

ソフトバンクの宮内謙社長(左)、アームのディペッシュ・パテル プレジデント(中)と芳川裕誠バイスプレジデント(右)
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