5Mビット/秒のCAN FDに対応した車載向け電源/通信/監視IC
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 独Infineon Technologies社は、データ伝送速度が5Mビット/秒と高いCAN FD(CAN with Flexible Data rate)仕様に準拠した電源/通信/監視ICを発売した(ニュースリリース)。同社が「SBC(System Basis Chip)」と呼ぶICで、1つのチップに電源機能と通信機能、電源監視(スーパーバイザー)機能を集積したものである。ホストマイコンと組み合わせて使用する。3つの機能を1チップ化したため、コストを減らせると同時に、プリント基板上の実装面積を最大で80%削減できるという。車載用電子制御ユニット(ECU)に向ける。具体的な用途としては、車載用HVAC機器の制御、フロント照明やリア照明の制御、座席制御ユニット、ボディー制御モジュール、パッシブ・キーレス・エントリー、トランクやスライドドアなどの開閉モジュールなどを挙げている。

 2つの製品ファミリーを発売した。1つは、通信機能のほかに3つのレギュレーター回路を集積した「Mid-Range+」である。製品型番は「TLE926x/TLE927x」である。もう1つは、通信機能のほかに2つのレギュレーター回路を集積した「Lite」で、製品型番は「TLE94x1」である。

 例えば、Mid-Range+ファミリーに含まれる「TLE9263」の仕様は以下の通り。通信機能として、1つのCAN FD対応トランシーバーのほか、2つのLIN対応トランシーバーを内蔵する。3つのレギュレーター回路のうち2つはLDO対応である。一方の出力電圧は+5Vもしくは+3.3Vで、最大出力電流は250mA。もう一方の出力電圧は+5Vで、最大出力電流は100mAである。残る1つのレギュレーター回路は、外付けのPNPトランジスタを使って構成するタイプで、出力電圧は+5V、+3.3V、+1.8Vのいずれかに設定できる。このほか4個のハイサイドドライバーや、2個のGPIO(汎用入出力)、2個のウェイクアップ入力などを備える。ICの設定や動作診断に向けた16ビットSPIを搭載した。消費電流は、スリープ時に15μA(標準値)、ストップ時に44μA(標準値)と少ない。パッケージは48端子VQFNである。

 Mid-Range+ファミリーはすでに量産出荷を始めている。Liteファミリーは、2018年10月に量産出荷を始める予定である。2つのファミリーどちらも、価格は明らかにしていない。