安川電機は、マシンコントローラーから産業用ロボットを制御できるようにするロボットモジュール「RM100」を発売した(図1、ニュースリリース1)。ボード形の同モジュールを、マシンコントローラー「MP3000」シリーズの「同3300」本体に装着(図2)して統合することで、多関節ロボットを組み込んださまざまな産業機械・装置全体を一括して制御できる。

図1:ロボットモジュール「RM100」(出所:安川電機)
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図2:「RM100」を装着したマシンコントローラー「MP3300」(出所:安川電機)
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 従来は機械・装置はマシンコントローラーで、ロボットはロボットコントローラーで個別に制御していた。RM100を装着したMP3300があれば、マシンコントローラーのMP3300だけで機械・装置とロボットを同期制御できる。従って、I/Oレベルで実施していた相互監視が不要になる(図3)。生産工程の統合や生産速度の変更が容易で、生産量の変動や多品種に対応しやすい装置を構築できる。

図3:既存のシステム構成(左)と「RM100」を用いたシステムの構成(右)(出所:安川電機)
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 MP3300とRM100の間は高速なシステムバスで接続されるため、MP3300の制御周期で同期できる。機械・装置とロボットが高精度に連携して動作することで、タクトタイムを縮められる。機構パラメーターの設定やチューニングを実行する新開発のコンフィグレーションツール「RM-Config」を活用すれば、同社製以外の6軸ロボットも制御できる。

 機械・装置とロボットを一括制御することで、各種機器のデータを一元管理できる。システム全体を見える化でき、トラブルシュートや予防保全、稼働状況の把握がしやすくなる。

 併せて同社は、マシンコントローラーとロボットコントローラーを統合する制御機能を開発し、提供を開始した(ニュースリリース2)。MPシリーズとコントローラー内蔵型のサーボパック「Σ-7C」に対応する。サーボドライブと産業用ロボットを組み合わせて導入する際、マシンコントローラーのプログラムからロボットコントローラーを制御できるようになる。

 同機能では、マシンコントローラーのラダープログラムで、ホストコンピュータからロボットを制御するためのインターフェース機能「MotomanSync I/F」の通信プロトコルに対応した関数を実行し、ロボットを制御する(図4)。ロボットコントローラーからのプログラム言語は不要。ロボットごとに必要な送受信データだけを繰り返し通信することで、応答性に優れたシステムを実現できる。

図4:マシンコントローラーによるロボットコントローラー制御のイメージ(出所:安川電機)
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 MPシリーズの標準関数の1つとして、ロボット制御に必要な関数を提供する。この関数を使うと、複数の位置への移動指令を連続で実行して位置間をなめらかにつなげられるので、ロボットの動作がスムーズになるという。JOG関数を使えば、マシンコントローラーに接続されたタッチパネルなどから簡易ティーチングペンダント機能を構築できる。

 RM100と制御機能は、同社が提唱するコンセプト「i3-Mechatronics」に基づくもの(関連記事)。サーボドライブとロボットの制御技術を駆使し、ハードとソフト両面のソリューションを開発した。いずれも、価格は要相談。