東日本旅客鉄道(JR東日本)は、電車を動かす電気を送る電線の一部「き電線」のメンテナンスに、鉄道事業者としては初めて無線式センサー(温度センサー付きRFIDタグ)を用いた管理手法を本格導入すると発表した(ニュースリリース:PDF)。2015年4月より一部区間に導入・検証したところ、一定の効果が確認できたことから2019年1月より本格導入する。

「き電線」の役割
(出所:JR東日本)
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 き電線は、電車の運行に必要な電気を架線(トロリ線)に供給する設備で、線路上空に敷設されている。「硬アルミより線」を使用したき電線の接続部は、経年劣化によって電気抵抗が増え、発熱する傾向にある。これまでは、2年に1回のペースで電力係員がき電線接続部のある全現場を巡回し、線路沿線からサーモカメラによる温度測定検査を実施してきた。

従来の管理手法
(出所:JR東日本)
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 今回導入する管理手法は、無線式センサーをき電線接続部に設置し、携帯型データ収集装置(リーダー)と、専用スマートフォンを携行した電力係員が列車に乗ることにより、自動的にき電線接続部の温度を測定可能にする。これにより、線路沿線からの温度測定検査が不要となり、電力係員の安全確保が容易になるとともに、効率的なメンテナンスが可能になるという。また、列車上から温度データを取得するため、データ取得の頻度が上がり、き電線のメンテナンス品質の向上も可能になるとする。

今回導入する新しい管理手法
(出所:JR東日本)
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 2019年1月より、常磐(快速)線の北千住駅~取手駅間と、常磐(各駅停車)線の綾瀬駅~取手駅間に導入する。今後、総武(快速・各駅停車)線の錦糸町駅~津田沼駅間と、京浜東北(根岸)線の横浜駅~大船駅間にも順次導入していく。