データセンターに向けた100A出力のDC-DCモジュール
[画像のクリックで拡大表示]

 米Analog Device社(ADI)は、データセンターに設置する電子機器に向けた最大100A出力の降圧型DC-DCコンバーターモジュール「LTM4700」を発売した(ニュースリリース)。シングルチャネル出力時は最大100Aだが、デュアルチャネル出力にも対応しており、その場合はチャネル当たり最大50A出力になる。特徴は、パッケージを工夫することで放熱特性(冷却特性)を高めた点にある。同社によると、「現在、クラウドサービスの高スループット化要求が急増中で、データセンターのインフラに大きな負荷が掛かっており、放熱に対する新しいアプローチが必要になっている。発売したモジュールは新しい放熱アプローチを採用することで、データセンターに設置するサーバーの電力密度や演算性能を高めることを可能にする」という。

 開発したパッケージは、パッケージ全体をヒートシンクとすることで放熱特性を高めた。競合他社品では、動作温度が+90℃に達してしまうが、今回のモジュールでは+73℃に抑えられるという。さらに200LFMの空冷を与え、周囲温度が+70℃の場合、+12V入力を+0.8Vに降圧する際に最大で100Aを供給することが可能だ。そのときのピーク変換効率は最大で90%が得られるとする。さらに、「コンポーネント・オン・パッケージ」と呼ぶ技術も採用した。このため競合他社品に比べて、実装面積を約1/2に削減できるという。パッケージは330ボールBGAで、外形寸法は15mm×22mm×7.87mmである。

 FPAGやASIC、GPU、マイクロプロセッサーなどに電力を供給する用途に向ける。発売したモジュールは最大8個まで並列接続して駆動できるため、最大で800Aの電流を供給可能だ。具体的な用途としては、データセンターで使用するクラウドコンピューターや光ネットワーク装置、通信インフラ装置、PCI Expressボードなどのほか、医療用電子機器、産業用電子機器、テスト/計測機器を挙げている。

 モジュールには、アナログ電源制御回路やパワーMOSFET、インダクター、デジタルインターフェース回路、EEPROM、各種パラメーター設定用抵抗器などを内蔵した。フィードバックループの制御方式は固定周波数の電流モードである。同期整流方式を採用する。入力電圧範囲は+4.5〜16Vで、出力電圧範囲は+0.5〜1.8Vである。出力電圧の誤差は±0.5%(全動作温度範囲における最大値)。PMBus仕様に準拠した400kHz動作のI2Cインターフェースを備える。これを使って、各種パラメーターの設定のほか、出力電圧や入力電圧などの電源特性を監視できる。電源特性はいずれもアナログ値であるため、デジタル化に向けた16ビット分解能のΔΣ型A-D変換器を内蔵した。動作温度範囲は−40〜+125℃。すでに量産を始めている。1000個購入時の米国での参考単価は97.26米ドルである。