ITを使って顧客とのエンゲージメントを強めたり、直に新たなサービスを提供したりする―。マーケティングがITを活用することで従来と全く違ったレベルで実現できるいま、それを専門的に支援するデジタルマーケティングエンジニアが重要になっている。

 あるチケット販売企業のCIOがこう切り出した。「チケット販売のシステムという枠組みでは事業として頭打ちになる。アーチストを360度支援するようなマーケティングプラットフォームに変えたい」。こんなリクエストから、ウルシステムズの小松 要氏の活動はスタートする。

 要件定義の前段階。ITを活用した事業戦略のグランドデザインを、A3版の紙に絵で描く。誰がこの事業全体でアクターになり、どんなサービスをどんな機能で提供し、どんなITを使って実現するのか。これが分かる絵だ。データ収集や分析、情報提供など、アクター機能を矢印で結ぶもので、CIOが分かりやすいものであればいい。

 グランドデザインを描くには、現状分析が必要だ。CIOにヒアリングし、スコープや方向性を修正しながらグランドデザインにまとめるまで2週間を要した。これをさらに、コストやロードマップを記した計画に落とし込む。これをベースに検討を進め、経営会議で承認を得る。

 ここから要件定義に入る。しかし、業務課題からくる要件と異なり、すべて提案型だ。顧客が決めるのは要望までとなる。現状のチケット販売サービスの状況と課題を把握する。デジタルマーケティングを構成する機能要素とその連携パターン、それを実装するAWSのサービスの組み合わせを提案する。AWSのサービスは例えば「EC2がいいのか、Lambdaがいいのか」といった選択をしつつ、性能効率やコスト、運用面を考慮して設計する。このプロジェクトでは、4人のチームで要件定義を実施した。

 小松氏は、10人ほどの開発メンバーのプロジェクトマネジャーも務めつつ、AWSの設定をこなすなど、製造工程にも加わった。

この先は日経 xTECH Active会員の登録が必要です

日経xTECH Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。