開発したシステムにバグが頻発する、利用部門が新システムを受け入れない、開発費が当初予算を大幅に超過した、納期遅れを繰り返した――。業務システム開発の現場では、失敗やトラブルが後を絶たない。
深刻なケースでは、システムを発注したユーザー企業と、受注したITベンダーの間で訴訟に発展することもある。ひとたび訴訟になれば、双方が膨大なリソースを無駄に消費する。そこに勝者はいない。
どうすれば、システム開発のトラブルや失敗を未然に防ぐことができるのか。本連載では、システム開発の典型的なトラブル事例をひもときながら、失敗の原因と回避策を解説する。
目次
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経営者の思い付きがシステム開発を迷走させる、完成後も問題が多発
理想に燃える経営者と、現状に満足するユーザー部門。そんな両者のギャップを埋めないまま走り始めたプロジェクトは、いずれ迷走する。
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システム開発トラブルを防ぐには、現場からの警告を受け付ける窓口を
心血を注いだ開発プロジェクトが遅延し、赤字になり、裁判沙汰になったのでは担当者は立つ瀬がない。連載の最終回ではトラブルを防ぐノウハウを、プロジェクトの人選を中心に紹介しよう。
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契約書を巡るシステム開発トラブルが多発、民法改正も踏まえ条文の精査を
契約書の条文に関わるシステム開発のトラブルが近年、増えている。契約書の条文についての認識や解釈の違いから、ユーザー企業とITベンダーが対立し、訴訟に至るケースも多い。
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「パッケージのサポート停止」というリスク、あなたのシステムは大丈夫?
レガシーシステムからオープン系のパッケージに切り替えた企業から「こんなはずではなかった」という悲鳴に近い不満を聞くケースがある。
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海外製ERPパッケージの導入、失敗が絶えない3つの理由
1990年代から2000年代にかけ、海外ERPベンダーの巧みな宣伝文句によって、多くの日本企業がERPパッケージの導入を進めた。ところが、こうしたERP導入プロジェクトでトラブルが多発している。
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AIブームで脚光浴びる生産スケジューラ、ベンダーの宣伝に踊らされるな
生産スケジューラの導入は情報システムの中でも難易度が高く、たびたびトラブルを起こしている。
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「機能は現状のままで」は危険、システム刷新を失敗に陥れる禁句
既存のレガシーシステムを新システムにリプレース(置き換え)する。近年の基幹システム刷新プロジェクトの多くはこのパターンだ。
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開発費を膨らませるカスタマイズ、パッケージ導入トラブルを防ぐ3カ条
パッケージソフトの導入を巡るシステム開発トラブルは、今も収まる気配がない。パッケージを使って安く開発するはずだったのに、カスタマイズ(修正)費用やアドオン(追加開発)費用が膨れ上がってしまう。
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システム開発トラブルで訴訟が頻発、失敗の5大要因
システム開発トラブルの類型と、トラブルが発生する主な理由について説明する。