インターネット接続に光回線を使う「光インターネット」の時代が到来した。光インターネットの構成や使われている技術、実効速度が上がらない理由など、その実態に迫る。

 今やなくてはならない存在になったインターネット。インターネットは、ユーザーとインターネット接続事業者(ISP)をつなぐアクセス網と、ISPのネットワーク同士を相互接続するコア網で構成される。そのうちこの記事では、アクセス網について見ていく。

 まずはユーザーの自宅から、NTT東西の収容局までどのように光ファイバーが敷設されているのかを探ってみよう。

FTTHのインフラの概要
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 ユーザーの自宅にはONU(Optical Network Unit)、収容局にはOLT(Optical Line Terminal)と呼ばれる装置を置く。これらを光ファイバーで結ぶ。

 ONUに接続した光ファイバーケーブルは、宅内のインドアケーブル、宅外のドロップケーブルを経て、電柱間に掛けられた架空ケーブルにつながる。マンションなどでは、光ファイバーをMDF(Main Distribution Frame)という光配線盤でまとめてから地下や電柱で引き回す。

 架空ケーブルはクロージャーと呼ばれる箱で束ねる。ここには、スプリッターと呼ばれる光部品が入っており、光ファイバーを分岐させている。

 収容局に近付いた地点で、架空ケーブルは地下に潜る。管路というパイプを通り、とう道と呼ばれる大きなトンネルに入る。とう道はNTTの収容局に通じており、そこから光ファイバーを局内に引き込む。

 その光ファイバーはIDM(Integrated Distribution Module)という光配線盤につながる。ここで局内と局外の光ファイバーをつなぐ。IDMはスプリッターを内蔵している。つまり光ファイバーは収容局と電柱の2カ所で分岐することになる。基本的には、局内で4分岐、局外で8分岐、合計32分岐する。

 IDMの先から延びた光ファイバーは最終的にOLTにつながる。

長距離に向くSMF

 次に、FTTH(Fiber to the Home)で使われる光ファイバーの構造について見ていこう。

 光ファイバーは基本的に、中心のコアとそれを取り囲むクラッドから成る。コアに光を通すと、コアとクラッドの境目で光が反射し、コアに閉じ込められた状態で遠くまで届く。

シングルモードファイバーの構造
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 光ファイバーには大きく、シングルモードファイバー(SMF)とマルチモードファイバー(MMF)の2種類がある。FTTHでは、長距離伝送に向くシングルモードファイバーを採用する。一方、マルチモードファイバーは短距離のイーサネットなどに使う。

 なぜシングルモードファイバーは長距離に向くのだろうか。それにはモードが関係している。

 モードは、光ファイバーのコアの中を通る経路を指す。コアを通る光がクラッドで反射する際には、様々な入射角を取る。入射角の違いで経路の距離が変わる。

 マルチモードファイバーはコアの直径が太いため、複数のモード(経路)が生じる。このため、同じ信号でも受信側に届く時間がずれ、信号がひずんでしまう。このずれは、光ファイバーが長いほど大きくなる。これに対し、シングルモードファイバーでは、コアの直径を細くすることで、1つのモードだけが通るようにしている。このため、長い距離を伝送しても信号がひずみにくい。

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