調査会社のIDC Japanは2019年4月、2018年の国内WANサービス市場規模が5954億円で前年比6.6%の成長率となったという調査結果を発表した。クラウドサービスとの接続需要の増大や映像利用がもたらしたトラフィック増などで回線数と通信事業者の売り上げが共に伸びたという。

 法人向けWANサービスは、企業の各拠点に回線が行き渡ったことと、サービスのコモディティ化が進んだことで成熟市場となっている。通信事業者別のシェアを見ると、NTTコミュニケーションズ、KDDI、ソフトバンク、NTT東西地域会社の5社が市場の8割以上のシェアを占める寡占市場となっている。

 IDCは2018年以降のWANサービス市場について、WANトラフィックの増加などを理由に、「成長率は鈍化するものの成長を続ける」という予想をしている。その成長を支えるトレンドとして、「パブリッククラウド接続用途の拡大」と「SD-WAN(Software Defined WAN)の導入拡大」を挙げている。

クラウド接続WANが前年比50%近くの高い成長率

 パブリッククラウド接続WANサービスとは、パブリッククラウドと企業の拠点/データセンターを接続するWANサービスである。2017年ころから基幹システムをパブリッククラウドに移行する企業が現れたことで、広帯域で高品質な回線に対するニーズが高まってきた。

 同サービス市場は、パブリッククラウドを利用する企業の増加に伴って急速に伸びている。2018年の売上額は2017年に比べて50%に近い成長率を見せた。

 企業がクラウドを柔軟に活用するようになったことも、この勢いを加速させているようだ。全てのシステムをパブリッククラウドで利用する形態だけでなく、セキュリティや業務ニーズに応じて、オンプレミスの既存システムとクラウド上のシステムを併用した「ハイブリッドクラウド」を選択する企業も増えている。

 IDC Japanコミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野陽子氏は「クラウド上で重要度の高い業務やデータを扱うことが増えるのに従って、帯域を確保したWANの利用が増加する」と指摘する。IDCは2023年の同サービスの市場規模が500億円を超えると予測している。

図1●国内パブリッククラウド接続WANサービスの売上額
出典:「国内通信サービス市場予測、2019年~2023年:DXにおける通信サービスの市場機会」(IDC Japan、2019年2月発行)
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