従来のネットワーク機器といえば、固定機能のハードウエア機器が一般的だった。しかし、それは大きく変わろうとしている。その鍵となるのが、NFV(Network Functions Virtualization)と呼ばれる仮想化技術を利用した、ネットワーク機器のソフトウエア化だ。NFVでは、従来のネットワーク機器が備える機能を1つのVM(Virtual Machine)にまとめて、VMを起動したり、終了したりすることで実現する機能を切り替えられる。

 特に注目されているのが5G(第5世代移動通信システム)への応用だ。5Gは、日本では先日帯域の割り当てが決定したばかりだ。5Gの標準規格(5G NR)では2つの方式(SA:StandAloneとNSA:NonStandAlone)が規定されているが、4G世代の資産を生かさずに構築されるSA方式では、超低遅延や広帯域幅といった5Gのメリットをより生かすことができる。SAの実現には、NFVが決定的な役割を果たすと考えられており、Xeonプロセッサーはそのインフラとして有望な選択肢になりそうだ。

 日本では5Gから本格的にモバイル通信事業に参入する楽天モバイルがNFVを利用した仕組みを導入することで他の事業者と差を付ける計画だ。

管理や機能の切り替えを容易にするNFV

 NFVは、従来は固定機能を実現するアプライアンスとして実現されるネットワーク機器を、仮想化ソフトの技術を利用してソフトで実現する。具体的には交換機やRAN(Radio Access Network、無線アクセスネットワーク)などをVMに置き換えて、それらの機能をデータセンターに置かれたサーバーハードウエア上でソフト的に実現する。

 アプライアンスでは、固定のハードとファームウエアで機能を実現している。故障した場合にはハードごと交換する必要がある。2018年12月に起こったソフトバンクの通信障害では、エリクソン(Ericsson)製の交換機のファームウエアに問題が発生し、旧バージョンに戻したところ解決したとソフトバンクが発表している。

 仮に、この交換機がNFVで実現できていれば、問題が発生した段階で管理者のコントロールパネルから旧バージョンのVMに書き戻す指令を出すだけでよい。より短い時間で問題を解決できていた可能性がある。そうした管理の容易さや機能の切り替えの早さが、NFVで実現されるネットワーク機器のメリットだ。

米インテルは、NFVなどによるソフトウエアで実現されるネットワーク機器の潜在市場可能性は240億ドル(日本円で2兆6400億円)規模と見積もっている
(出所:米インテル)
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