寺倉 修
ワールドテック 代表取締役、元デンソー設計開発者

 国内約90社が手を組み、新しい移動サービスを提供する「MaaS(マース)」の開発に乗り出す。「モビリティーサービス産業はこのようになるだろう」、「こうありたい」との思いでロードマップを描き、その実現を目指す取り組みだ。

 こうした大きな動きには、多くの企業が商機を見い出そうと自社のロードマップを描き、システムや製品、技術の目標を決めることになる。このとき、上位システムの動向を踏まえて自社の目標を決める。上位システムから自社の目標を決める取り組みは、既に本コラムで取り上げた目標設定に必要な4要件の1つ「システム動向との整合性」に当たる。

 ちなみに、他の3つの要件は「項目の妥当性」と「目標値の妥当性」、「成長タイミングとの整合性」だった。今回は「システム動向との整合性」を取り上げる。

 これまでに述べた通り、ロードマップはシステムや製品、要素技術などの将来展望を示すものだ。ロードマップは、そこに示された将来展望へ企業の活動を誘引するための対話の手段となる。その対話を踏まえ、システムに必要な製品や要素技術が開発される。これは、ものづくりの上位階層の方向付けが下位階層の開発を引っ張る、いわゆるマーケット・プルだ。

 従って、企業は上位階層の動向を把握し、その動きに沿った開発設計の目標を設定しなければならない。

 こうも言える。その開発設計の目標が妥当であるには、お客様である上位システム動向の把握という条件を満たさなければならない。頑張って「ダントツの目標」を設定しても、開発対象の将来性がなければ、その目標自体の価値が失われ、設定したつもりの罠にはまる。従って、上位システムの動向をしっかり踏まえて取り組む必要がある。目標設定は「システム動向との整合性」がとれていなければならないのである。

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