1Tバイトで1万数千円。高速で衝撃に強いSSDの価格下落が止まらない。その背景には、米インテル(Intel)のPC向けCPUの供給不足による需給バランスの乱れと、着実に単位面積当たりの容量を増やしてきた不揮発性メモリーのNANDフラッシュの技術進化がある。

 2019年前半は、インテル製CPUの供給不足が顕在化。CPUの周辺製品のだぶつきによって値段の急落を招くことになった。主記憶のDRAMはもちろん、NANDフラッシュを利用したSSDについても同じことが起こった。1TバイトのSSDといえば10万円台が相場だったものが、2019年は種類を選ばなければ1万円台前半で手に入るほど低価格化が進んだ。

米インテルの「Intel SSD 660p」
写真は512Gバイト容量のNANDフラッシュ・パッケージを2枚搭載する1Tバイト製品。(撮影:高橋秀和)
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 もちろん、供給過剰だけが理由ではない。NANDフラッシュそのものの大容量化が価格下落をけん引した相乗効果である。NANDフラッシュ大容量化の背景には、2018年から2019年にかけて起こった大きく3つの変化がある。

  1. 微細化の事実上の終焉
  2. 3D NANDの普及
  3. QLC NANDの投入による多値化

 ①の微細化とは、フラッシュメモリーを構成するトランジスタをより小さく作ることだ。回路に使う配線の幅を製造プロセスルールと呼び、プロセスルールの値が小さいほど単位面積当たりに組み込める回路の数が増える。CPUと同様に、これまでNANDフラッシュの大容量化は主に製造プロセスルールの微細化で賄われてきた。

 ところが、この微細化がどんどん難しくなってきている。既に2016年の段階で、フラッシュメモリー大手のプロセスルールは14~15nmで頭打ちになっているのだ。

 例えば、東芝はプロセスルールは15nm、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)は14nmだ。米マイクロンテクノロジー(Micron Technology)とインテルの合弁である米IM Flash Technologiesが2018年末に更なる微細化を目指していたものの、2018年末に合弁を解消。マイクロンがIM Flashを完全買収する形になった。これにより、微細化は14~15nmあたりで完全に打ち止めになった格好だ。

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